総務省が11月20日に公表した『人口推計(2024年(令和6年)6月確定値、2024年(令和6年)11月概算値)』によると、6月の確定値で総人口は前年同月と比べて53万2000人の減少でした。

全体として人口は減少していますが、65歳以上人口に限ればむしろ増加傾向にあります。日本における少子高齢化の動きが今後も継続していくことを考えると、老後生活に対する不安を感じている人も多いのではないでしょうか。

また、将来1人で老後生活を迎えるとなると、より不安は大きく感じるかもしれません。

そこで気になるのが、現在のシニアがいくら貯蓄があり、年金はどのくらい受け取っているのかというところ。

本記事では、シニアの中でも特に70歳代に焦点を当て、おひとりさまシニア世帯の生活実態を解説していきます。

1. 約30年で約2倍に…「おひとりさまシニア世帯」は年々増加傾向へ。

厚生労働省「2023年 国民生活基礎調査の概況」によると、65歳以上の者のいる世帯は2695万1000世帯で全世帯の50.6%を占める結果となりました。

2023年における65歳以上の世帯構造は下記のとおりです。

  • 夫婦のみの世帯: 863万5000世帯(65 歳以上の者のいる世帯の 32.0%)
  • 単独世帯:855万3000世帯(同 31.7%)
  • 親と未婚の子のみの世帯:543万2000世帯(同 20.2%)

1986年以降のデータを見ると、かつては一般的だった「三世代世帯」が大幅に減少し、2023年には7.0%にまで低下しました。

現在では、「夫婦のみの世帯」と「単独世帯」がほぼ同じ割合で存在し、それぞれが全体の約3分の1を占めています。

このように、65歳以上の世帯構成は、三世代同居から夫婦のみや単独世帯へと変化しており、その結果として生活スタイルや家計状況にも変化が生じていると考えられます。

家族の人数が減ることで、夫婦や一人暮らしの世帯では、将来に対する経済的な不安を感じる人が増えているかもしれません。

次に、70歳代の単身世帯における貯蓄状況について見ていきましょう。