後期高齢者医療保険とは、主に75歳以上の方を対象にした公的医療保険です。一般的な公的医療保険よりも窓口負担割合が低く抑えられている点が特徴です。
2024年12月より、保険証がマイナンバーカードと一体化される予定です。マイナンバーカードに保険証の機能を持たせると利便性が向上するため、どのような変化が起こるのか確認しましょう。
1. 後期高齢者医療保険と自己負担割合の仕組み
後期高齢者医療保険とは、75歳以上の人または65歳から74歳までの人で一定の障害の状態にあると後期高齢者医療広域連合から認定を受けた高齢者が加入する医療保険です。
勤務している方は勤務先の健康保険に加入しますが、75歳になると勤めているかどうかにかかわらず、それまで加入していた健康保険から自動的に後期高齢者医療制度へ加入します。
2. 後期高齢者医療制度「窓口負担の割合」はどう決まる?
一般的な健康保険では、実際に治療を受けたときの自己負担割合が3割です(年齢によって差がある)。後期高齢者医療制度に加入している場合の窓口負担割合は、以下のように所得に応じて決まります。
- 3割負担:現役並み所得者(同じ世帯の被保険者の中に住民税課税所得が145万円以上の方がいる場合)
- 2割負担:一定以上所得のある方
- 1割負担:一般所得者等(同じ世帯の被保険者全員の住民税課税所得がいずれも28万円未満の場合など)
窓口負担割合が2割となる人には、外来の医療費が大幅に増えないように配慮措置が設けられています。
具体的には、負担増加額が1カ月あたり3000円までに抑えられます(入院の医療費は対象外)。
1カ月の負担増加額が3000円に到達すると、以降における同月中の診療は1割負担です。
また、通常の外来医療の窓口負担の上限額(1カ月あたり1万8000円)に達した場合、それ以上の額を負担する必要はありません。
3. 後期高齢者医療制度の窓口負担割合が見直された理由は
後期高齢者医療制度の窓口負担割合が見直された理由は、医療費負担の増大と少子高齢化に伴う保険料収入の減少です。
後期高齢者の医療費は、約5割を公費で負担しており、約4割が現役世代の負担(支援金)となっています。
2022年以降は団塊の世代が75歳以上になり医療費の増大が見込まれるため、制度そのものの維持にも影響します。
現役世代に負担増をすべて押しつけるのは酷なので、一定の所得がある高齢者の自己負担割合を上げることとなりました。
今後も、制度を維持するために改正が行われると考えられるでしょう。
4. 2024年12月からマイナンバーカードと健康保険証が一体化
2024年12月2日から、マイナンバーカードと健康保険証が一体化される予定です(マイナ保険証)。マイナンバーカードに保険証の機能が追加されるため、マイナンバーカードを用いて医療機関を受診できます。
マイナンバーカードで受診することにより、これまでの受診歴や服薬状況が医療機関で共有されるため、よりよい医療を受けられる可能性が高まります。
また、「マイナポータル」を通じて医療費控除の手続きができるため、確定申告の事務的負担を軽減できます。医療機関や調剤薬局から発行された領収書を集めて計算するよりも、圧倒的に楽になるでしょう。
さらに、マイナンバーカードを活用すれば、高額な医療費の立て替えが不要になります。高額療養費制度で定められている1カ月あたりの自己負担額を超えて治療を受けると、一旦は本人が立て替える必要がありましたが、マイナンバーカードがあれば限度額を超える支払いが免除されます。
このように、医療サービスを受けるときや確定申告をするときなど、さまざまな場面でマイナンバーカードを活用するメリットが生まれる予定です。
5. まとめにかえて
75歳以上の方は、後期高齢者医療保険に加入します。原則として自己負担割合は1割ですが、所得次第では自己負担割合が2割または3割になる点に注意しましょう。
また、2024年12月からは保険証がマイナンバーカードに一体化されます。利便性が向上するため、有効活用するとよいでしょう。
参考資料
柴田 充輝