3. 【金融機関で働いていた筆者が感じた】富裕層に共通する3つのポイントとは
ここからは、元金融機関に勤務していた筆者が過去に出会った「富裕層」に、共通する3つのポイントを紹介します。
3.1 共通点1.資産運用をうまく活用している
現役世代は主に勤労収入に依存していることが多いですが、その中で貯蓄を行っている人も少なくありません。
しかし、低金利の時代においては、預貯金だけで資産を増やすことは困難であり、物価上昇率を下回る金利では、お金をただ置いておくだけで資産の価値が減少してしまいます。
これに対し、富裕層はこの仕組みをよく理解しており、「お金に働いてもらう」すなわち資産運用を行っています。
資産運用には一定のリスクが伴いますが、預貯金では得られないリターンを期待できるため、彼らはその機会を最大限活用し、資産を増やす工夫をしています。
3.2 共通点2.メリハリのあるお金の使い方をしている
富裕層と言っても、毎日外食や豪華な生活を楽しんでいるわけではなく、実際の日常生活は質素であることが多いようです。
その代わり、趣味や自己成長に関連する活動には惜しみなくお金を使う傾向があります。
3.3 共通点3.情報収集能力に長けている
富裕層に共通するもう一つのポイントは、情報収集能力に優れていることです。
彼らは金融機関の担当者や友人・知人から、自然と得られるお得な情報に敏感ですが、自分自身でも情報を積極的に探しに行く姿勢が目立ちます。
銀行や証券会社が無料で開催するセミナーにも熱心に参加し、有益な情報を収集しています。
また、集めた情報の中から、自分にとって本当に価値のあるものを見極める取捨選択の能力も高いです。
4. まとめにかえて
今回は純金融資産1億円以上を保有する富裕層世帯が日本にどのくらいいるか、データをもとに確認しました。富裕層に共通するポイントを見てみると、意外にも日常生活で取り入れられるような実践的な内容が多いことに気付かされます。
例えば、共通点の一つとして、新NISAやiDeCoなどの税制優遇を活用して資産運用を始めている方が多いことが挙げられます。筆者がファイナンシャルアドバイザーとして資産運用の相談を受ける中でも、「新NISAを始めた」という声をよく耳にします。こうした制度は、手軽に資産運用をスタートするための第一歩として非常に有用です。
しかし、重要なのは共通点の3つ目にある「正しい情報を得る力」です。税制優遇があるからといって、制度を十分に理解せずに運用を始めてしまうと、思わぬリスクを招く可能性があります。特に現代は情報があふれており、何が正しい情報かを見極める力が問われる時代です。この力を身に付けるには、早い段階から正しい情報に触れる習慣を持ち、自分自身で考える力を養うことが欠かせません。
何事も簡単に手に入るものはなく、富裕層に近づくためには地道な努力が必要です。将来の自分をより良くするためにも、今日から富裕層に共通するポイントを意識して行動を始めてみると良いかもしれません。
参考資料
山本 大樹