2024年10月18日に発表された総務省統計局「2020年基準消費者物価指数全国2024年(令和6年)9月分」によると、総合指数は2020年を100として108.9で、2023年10月から2.5%上昇しています。
継続的な物価の上昇により家計は圧迫され、思うように貯蓄や資産運用ができずに不安になる人も多いのではないでしょうか。
本記事では、年金が収入の柱となる70歳代の平均年金月額や平均貯蓄額などの貯蓄事情を解説します。
記事の後半では、老後生活を豊かにする工夫も紹介しているので、参考にしてください。
1. 【70歳代】平均年金月額はいくら?
2023年12月、厚生労働省年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」での、厚生年金と国民年金の70歳代の平均年金月額を紹介します。
1.1 【70歳代】厚生年金の平均月額
- 70歳:14万1350円
- 71歳:14万212円
- 72歳:14万2013円
- 73歳:14万5203円
- 74歳:14万4865円
- 75歳:14万4523円
- 76歳:14万4407円
- 77歳:14万6518円
- 78歳:14万7166円
- 79歳:14万8877円
1.2 【70歳代】国民年金の平均月額
- 70歳:5万7320円
- 71歳:5万7294円
- 72歳:5万7092円
- 73歳:5万6945円
- 74歳:5万6852円
- 75歳:5万6659円
- 76歳:5万6453円
- 77歳:5万6017円
- 78歳:5万5981円
- 79歳:5万5652円
収入が年金に限られてしまった場合、国民年金のみ受給している方は日常生活が難しくなります。
現役時代の貯蓄を、取り崩したり生活費を節約したりする生活になります。
次に、単身世帯と二人以上世帯それぞれの、70歳代の平均貯蓄額を見ていきましょう。
2. 【70歳代】平均貯蓄額はいくら?
2024年1月26日に発表された金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和5年調査結果」と「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和5年調査結果」では、各世代の貯蓄額が発表されています。
70歳代の単身世帯と二人以上世帯の、平均貯蓄額と中央値は下記のとおりです。
70歳代の平均貯蓄額と中央値2/4
出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和5年調査結果」、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和5年調査結果」をもとに筆者作成
70歳代単身世帯の貯蓄額
- 平均貯蓄額:1529万円
- 中央値:500万円
70歳代二人以上世帯の貯蓄額
- 平均貯蓄額:1757万円
- 中央値:700万円
単身世帯も二人以上世帯も、貯蓄額に大きな違いはありません。
中央値は70歳代単身世帯が500万円で二人以上世帯は700万円のため、実際の貯蓄額は少ない印象です。
もしも70歳代から100歳までの生活があると想定した場合、主に年金収入だけでは足りない資金が約30年分必要です。
「人生100年時代」と言われているため、想定しておくと良いでしょう。
老後資金を準備する際は、年金収入だけでは足りない生活費の金額や医療費を試算して備えます。
続いては、シニア時代を豊かに過ごすための工夫を紹介します。
3. 老後を豊かにするための2つの工夫
趣味や家族との時間を楽しみながら、老後を豊かに過ごすための工夫を2つお伝えします。
3.1 環境が整っているなら65歳以降も働く
2013年4月1日に「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)の一部が改正され、70歳までの就業機会の確保が努力義務になりました。
65歳以上の労働力人口は、少しずつ増えています。
労働力人口比率の推移は下記のとおりです。
労働力人口比率の推移
<2022年>
65~69歳:52.0%
70~74歳:33.9%
75歳以上:11.0%
<2023年>
65~69歳:53.5%
70~74歳:34.5%
75歳以上:11.5%
生活費の不足分を貯蓄から補い続けていては、資産は目減りするばかりです。
労働環境が整っているなら、無理のない範囲で働いて収入を得ると金銭的や精神的なゆとりが生まれてくるでしょう。
3.2 シニアになってからも貯蓄を大切にする
2024年9月4日にソニー生命保険株式会社が公表した「シニアの生活意識調査2024」では、シニア(50~79歳)男女1000名の「現在の楽しみ」を調査しています。
【調査概要】
- 調査名:「シニアの生活意識調査2023」
- 調査期間:2024年8月2日~8月3日
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 全国のシニア(50~79歳)の男女
- 調査人数:1000名
シニアが楽しみのために使っているお金について「現在の楽しみは貯蓄」と答えたシニア113名に、毎月の貯蓄額について尋ねたところ、平均は5万3000円でした。
過去の調査結果と比較すると、2022年は5万2000円、2023年は4万4000円、そして2024年には5万3000円と、昨年から9000円増加し、2022年の水準に戻ったことがわかります。
趣味や家族との時間を楽しむためには、収入から毎月の貯蓄も忘れずに実施しておきたいですね。
4. 老後資金は早めに準備をしましょう
本記事では、70歳代の貯蓄事情や老後を豊かにするための工夫を紹介しました。
年金が主な収入源となる70歳代からの貯蓄は、難しくなります。
新NISAやiDeCo、その他の資産運用や預貯金を利用して、老後資金を準備しておきましょう。
新NISAやiDeCoなどを利用するときは、ご自身のリスク許容度と合わせた投資先の検討が大切です。
参考資料
- 総務省統計局「2020年基準消費者物価指数全国2024年(令和6年)9月分」
- 厚生労働省年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和5年調査結果」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和5年調査結果」
- 厚生労働省「人生100年時代」に向けて
- 内閣府「令和6年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)」
- ソニー生命「シニアの生活意識調査2024」
円城 美由紀