厚生年金の平均額は月額14万円台で、月15万円以上受給できる方は半数以下となっています。年金は老後生活を支える貴重な収入ですが、生活費をカバーできるか不安に感じる方もいるでしょう。
今回は、厚生年金の受給額に関するデータや、年金生活者支援給付金について解説します。
1. 厚生年金を月15万円以上受け取れる人の割合は46.1%
厚生労働省年金局の資料によると、令和4年度における厚生年金の平均月額は「14万3973円」でした。なお、国民年金の金額を含めた厚生年金の受給額ごとの人数は、以下のように分布しています。
- 1万円未満:6万1358人
- 1万円以上~2万円未満:1万5728人
- 2万円以上~3万円未満:5万4921人
- 3万円以上~4万円未満:9万5172人
- 4万円以上~5万円未満:10万2402人
- 5万円以上~6万円未満:15万2773人
- 6万円以上~7万円未満:41万1749人
- 7万円以上~8万円未満:68万7473人
- 8万円以上~9万円未満:92万8511人
- 9万円以上~10万円未満:112万3972人
- 10万円以上~11万円未満:112万7493人
- 11万円以上~12万円未満:103万4254人
- 12万円以上~13万円未満:94万5662人
- 13万円以上~14万円未満:92万5503人
- 14万円以上~15万円未満:95万3156人
- 15万円以上~16万円未満:99万4044人
- 16万円以上~17万円未満:104万730人
- 17万円以上~18万円未満:105万8410人
- 18万円以上~19万円未満:101万554人
- 19万円以上~20万円未満:90万9998人
- 20万円以上~21万円未満:75万9086人
- 21万円以上~22万円未満:56万9206人
- 22万円以上~23万円未満:38万3582人
- 23万円以上~24万円未満:25万3529人
- 24万円以上~25万円未満:16万6281人
- 25万円以上~26万円未満:10万2291人
- 26万円以上~27万円未満:5万9766人
- 27万円以上~28万円未満:3万3463人
- 28万円以上~29万円未満:1万5793人
- 29万円以上~30万円未満:7351人
- 30万円以上~:1万2490人
厚生年金受給権者は全部で「1599万6701人」おり、月額15万円以上受給している人数は「737万6574人」でした。割合にすると約46.1%となり、半数以上の人が年金受給額15万円未満となっています。
2. 年金生活者支援給付金とは
年金生活者支援給付金とは、受給できる年金額や所得が一定以下の方に支給されるものです。
2.1 老齢年金生活者支援給付金の要件と受給額
老齢基礎年金の受給者で、以下に該当する場合は老齢年金生活者支援給付金を受給できます。
- 「老齢基礎年金」を受給中の65歳以上の方
- 支給対象者の、同一世帯の全ての方が市町村民税非課税
- 前年の公的年金などの収入と、その他の所得の合計額が以下の支給要件に該当する
なお、支給要件において、前年の公的年金の収入に、障害年金・遺族年金などの非課税収入は含まれません。
1956年4月1日以前生まれの方|「老齢年金生活者支援給付金」支給要件
老齢年金生活者支援給付金:78万7700円以下
補足的老齢年金生活者支援給付金:78万7700円を超え88万7700円以下
1956年4月2日以後生まれの方|「老齢年金生活者支援給付金」支給要件
老齢年金生活者支援給付金:78万9300円以下
補足的老齢年金生活者支援給付金:78万9300円を超え88万9300円以下
なお、支給額は以下の計算式で算出します。
- 保険料納付済期間に基づく額(月額)=5310円×保険料納付済期間÷被保険者月数480月
- 保険料免除期間に基づく額(月額)=1万1333円×保険料免除期間÷被保険者月数480月
2.2 障害年金生活者支援給付金の要件と受給額
障害年金を受給しており、前年の所得が472万1000円以下の方は障害年金生活者支援給付金を受給できます。
なお、受給額は障害等級によって差があります。
- 障害等級が2級の方:5310円(月額)
- 障害等級が1級の方:6638円(月額)
2.3 遺族年金生活者支援給付金の要件と受給額
遺族年金を受給しており、前年の所得が472万1000円以下の方は遺族年金生活者支援給付金を受給できます。
給付額は月額5310円で定額で、2人以上の子が受給している場合は、受給権者の人数で割った金額を各人が受給します。
3. 私的年金とは
公的年金の上乗せとして支給される年金を私的年金といいます。私的年金は、高齢期により豊かな生活を送るための制度として重要な役割を果たしており、老後不安が高まっている昨今において注目されています。
なお、主な私的年金制度は以下のとおりです。
- 確定給付企業年金制度(DB)
- 確定拠出年金制度(DC)
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)
- 厚生年金基金制度
- 国民年金基金制度
制度によって加入対象者が異なります。例えば、確定給付企業年金制度(DB)と確定拠出年金制度(DC)は導入企業に勤務しており、さらに規則で定められている対象者に該当している人が加入できます。
一方で、国民年金基金制度は、自営業者やフリーランスなど国民年金の第1号被保険者を対象としています。私的年金の活用は老後不安を軽減するうえで有用ですが、そもそも自分は加入できるのか、加入するメリットがどの程度あるのか確認しましょう。
4. まとめにかえて
月額15万円以上厚生年金を受給できる人の割合は半分に満たず、平均受給額は14万円台です。「年金だけでは苦しい生活を強いられる」という印象を持つ方もいるでしょう。
老後生活の経済的な不安を軽減するためには、年金生活者支援給付金のような公的支援の理解を深めたり、私的年金制度を有効活用したりする方法があります。
自分が利用できる制度を確認し、有効活用しながら老後生活に備えましょう。


