今年から新NISAがスタートし、注目を集めています。超低金利が続く日本では、銀行預金だけでは資産が増えにくいため、資産運用が重要な選択肢となります。

ファイナンシャルアドバイザーの筆者のもとにも、投資初心者の方からの「新NISA」に関する相談が増えています。特に老後を意識し始める50歳前後の方からの関心が高いようです。

今回は、50歳から新NISAで「毎月5万円」の積立投資をした場合、15年後に資産はいくらになるのかシミュレーションしていきます。

運用利回り別にシミュレーションしていますので、参考にしてみてください。

1. 新NISAとは?

NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)とは、個人投資家の資産形成を後押しするために、2014年にスタートした制度。2024年1月からは制度を拡充した「新しいNISA(新NISA)」が始まっています。

NISAの最大のメリットは、投資で得た利益が非課税になることです。通常、利益や配当金には約20%の税金がかかりますが、NISA口座ではこれが非課税になるため、利益を全額受け取ることができます。

1.1 新NISA「非課税」のしくみ

【写真全4枚中1枚目】新NISA「非課税」のしくみ、2枚目以降で、新NISAの特徴や、積立投資シミュレーション結果を見る!1/4

新NISA「非課税」のしくみ

出所:金融庁「NISAを知る」

ただし、NISA口座で運用できる金融商品や、投資可能額には制限があります。次で詳しく見ていきましょう。

1.2 【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」それぞれの違いは?

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」それぞれの違いは?2/4

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

出所:金融庁「NISAを知る」

  • 非課税保有期間:無期限
  • 「つみたて投資枠(※1)」と「成長投資枠(※2)」どちらも使える
  • 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
  • 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
  • つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
  • 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」

※1:つみたて投資枠:旧制度の「つみたてNISA」の後継
※2:成長投資枠:旧制度の「一般NISA」の後継
 

旧NISA制度では「つみたてNISA」「一般NISA」とどちらかひとつを選んで口座を開設する必要がありました。新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能に。

毎月少額の積立投資をコツコツと続けたい人、株主優待目当てに個別株を買いたい人など、投資のスタイルは人それぞれです。自由度が高くなった新NISAを活用して、上手に資産づくりを進めていけると良いですね。

さて、投資初心者さんの中には「まずは積立投資からスタートしたい」という人もいるでしょう。

次では、積立投資をおこなった場合の資産の増え方をイメージしていただくために、想定利回り1~5%で期待値をシミュレーションしていきます。

2. 50歳から15年間「毎月5万円」積立投資したらどうなる?想定利回り1~5%でシミュレーション

ここからは、新NISAの積立投資を活用して、資産をどのように育てていけるか、想定利回り1~5%で期待値をシミュレーションしていきます。

2.1 【シミュレーション】

  • 50歳から65歳までの15年間で老後資金をつくる
  • 積立額は毎月5万円
  • 投資信託は「安定的な運用」を重視した「年率1~5%」の商品

シミュレーションの結果は次のとおりです。

2.2 【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果3/4

【新NISA】運用利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

【シミュレーション結果】積立投資「毎月5万円」×15年×「年1~5%」

想定利回り:資産評価額(元本部分は900万円)

  • 年率1%:970万6000円
  • 年率2%:1048万6000円
  • 年率3%:1134万9000円
  • 年率4%:1230万5000円
  • 年率5%:1336万4000円

15年間、毎月5万円の積立投資を続けた場合の元本は900万円。運用結果によっては、この元本が1000万円以上に育つ可能性があるのです。

※ただし、投資にはリスクがある点は忘れずに。5%程度のリターンを期待する場合、同じく5%程度の損失を被る可能性があります。

3. 65歳までに「2000万円」つくるための毎月の積立額はいくら?

50歳代以降は「老後資金」の準備を意識し始める人が増える時期かもしれませんね。

必要額は人それぞれ異なりますが、かつて話題となった「老後2000万円問題」をきっかけに、リタイヤまでに2000万円を準備しておきたいという人もいるでしょう。

では、2000万円の老後資金を準備するには、50歳から65歳までの15年間で毎月いくらを積み立てていけばよいのでしょうか。

想定利回り年率3%の投資信託を毎月定額買い付けていった場合のシミュレーション結果を見ていきます。

3.1 【新NISA】積立金額別「想定利回り年率3%」積立投資シミュレーション結果

【新NISA】積立金額別「想定利回り年率3%」積立投資シミュレーション結果4/4

【新NISA】積立金額別「運用利回り3%」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

3.2 【積立金額別】15年間×3%の積立投資をシミュレーション

毎月の積立金額:資産評価額

  • 1万円:227万円
  • 3万円:680万9000円
  • 6万円:1361万8000円
  • 9万円:2042万8000円
  • 12万円:2723万7000円

※想定利回り:年率3%

シミュレーションの結果、利回り3%で15年間運用した場合、毎月9万円を積立投資することで最終的な資産評価額が「2000万円」を超える可能性があることが分かりました。

とはいえ多くの家庭にとって、毎月9万円を欠かさず積み立てることは決して容易ではありません。また、運用利回りは事前に保証されたものではないため、リタイア時に目標額に届かないリスクも心得ておく必要があるでしょう。

老後資金を積立投資で準備する場合、早期にスタートすることがとても大切です。

準備期間を長くとることで、毎月の負担額を軽減できるだけでなく、複利の効果を最大限に活用することが可能になります。さらに、積立期間が長くなることで、投資時期を分散できるため、市場の変動リスクを軽減する効果にも繋がることが期待できます。

時間を味方につけ、計画的に資産形成を進めることが、ゆとりあるセカンドライフへの第一歩となるでしょう。

4. 「長期」「分散」「積立」がポイント

投資に対して「ギャンブルのようでリスクが高い」と感じる方も多いかもしれませんが、資産運用ではリスクを抑える方法があります。そのポイントは「長期」「分散」「積立」の3つです。

短期的には市場が乱高下する可能性もありますが、投資対象を国や地域、資産ごとに分散することで、特定のリスクを回避することもできます。

さらに、積み立て投資では、価格が高い時も低い時も一定額を購入し続けるため、購入価格が平均化され、リスクを抑える効果があります。

時間は資産運用の最大の味方です。早いうちから始めることで、長期的な運用の恩恵を受けられる可能性が高まります。この機会に、自分に合った資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。

参考資料