65歳以上の無職夫婦「生活費は1ヵ月にいくら？」家計収支と平均貯蓄額・年金額を見比べる厚生年金と国民年金のモデル金額をパターン別に一覧化

物価が少しずつ上がってきて、毎日の買い物で実感する方も多いのではないでしょうか。

特に、収入が限られている年金生活者の方は家計への影響が大きく、不安に感じている方も多いと思います。

FPである筆者のもとにも、65歳以上の無職世帯、いわゆる年金収入世帯のお客様からのお問い合わせが増えているのが現状です。

現役世代の方も、定年退職を迎えたあとに完全にリタイアするのか、それともアルバイト等で収入を得る必要があるのかなど、悩んでいるかもしれません。

本記事では、実際に年金を受け取っている65歳以上の無職世帯の貯蓄事情とシニア世代の家計収支をチェックしていきます。

1. 【無職夫婦世帯】65歳以上の年金世帯の平均貯蓄額は2504万円。内訳も確認

老後生活をスタートさせる時期はそれぞれ異なりますが、公的年金の受給開始年齢は原則65歳であることから、そのタイミングで定年退職を迎える方も増えています。

総務省には、65歳以上で「無職」となった夫婦世帯の家計事情を調査した統計資料があります。

上記資料によると、65歳以上「無職夫婦世帯」の平均貯蓄額は2504万円であることがわかりました。

【写真1枚目/全4枚】65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額。次の写真で家計可処分所得と家計貯蓄（年度値）の推移グラフをチェック

過去5年間の平均貯蓄額の推移をみると、増加傾向にあることがわかります。

「少子高齢化による年金不安」や昨今騒がれている「老後2000万円問題」もあいまって、個人で老後資金を確保する世帯が増えているのでしょう。

では、保有資産の内訳はどのようになっているのでしょうか

合計：2504万円

保有資産が合計2504万円のうち、480万円が有価証券（株や債券など）で、前年より80万円増えています。

一方、定期預金は846万円で前年より19万円減少しており、預貯金から投資への移行が進んでいることを示しています。

特にシニア世代でも、預貯金以外の資産を持つ世帯が増えてきており、NISAやiDeCo（個人型確定拠出年金）など、税制上の優遇がある制度が多くなっていることも、その背景にあるようです。

では、65歳以上の「働いている世帯も含めた」貯蓄額はどれくらいなのでしょうか。