国税庁が9月末に公表した「民間給与実態統計調査」によれば、2023年の日本の平均給与は約460万円でした。前年よりも給与額は増えていますが、伸び率は0.4%と鈍化しています。
なかなかお金が貯まらないという人もいる一方、退職を控える60歳代までに2000万円以上の貯蓄を用意できている人も一定数存在します。果たして、60歳代時点で貯蓄が2000万円以上ある世帯はどれくらいあるのでしょうか。
この記事では、60歳代で貯蓄が2000万円以上ある世帯の割合について解説します。また、貯蓄の減少要因や老後生活にゆとりを保つための資産づくりの工夫についても解説します。
1. 60歳代で「貯蓄2000万円」をクリアしている世帯の割合
60歳代の二人以上世帯のうち、2000万円以上の貯蓄がある世帯の割合は、以下のとおりです。
- 金融資産非保有:21.0%
- 100万円未満:5.9%
- 100~200万円未満:4.5%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:3.0%
- 400~500万円未満:1.9%
- 500~700万円未満:7.2%
- 700~1000万円未満:6.7%
- 1000~1500万円未満:6.8%
- 1500~2000万円未満:5.4%
- 2000~3000万円未満:9.5%
- 3000万円以上:20.5%
- 平均:2026万円
- 中央値:700万円
60歳代で2000万円以上の貯蓄がある世帯は、全体の30%となっています。特に3000万円以上の貯蓄がある世帯の割合は20%と全体のなかでも2番目に高く、十分な貯蓄がある世帯は一定数存在していることがわかります。
また、平均額が2000万円を超えていることから、貯蓄が数千万円〜数億円ある人もいると考えられるでしょう。
一方、残りの7割は2000万円以下の貯蓄額となっています。特に金融資産非保有の世帯割合は21%で全体のトップを占めています。貯蓄が極端に多い人とまったくない人の格差が激しいといえるでしょう。
では、貯蓄額が減少してしまう要因について、次章で解説します。