4. 「70歳代おひとりさま世帯」は年々増加傾向へ
冒頭で触れたとおり、厚生労働省「2023年 国民生活基礎調査の概況」によると、65歳以上の者のいる世帯は2695万1000世帯(全世帯の50.6%)となり、増加傾向にあります。
- 夫婦のみの世帯: 863万5000世帯(65歳以上の者のいる世帯の32.0%)
- 単独世帯:855万3000世帯(同31.7%)
- 親と未婚の子のみの世帯:543万2000世帯(同20.2%)
「夫婦のみの世帯」と「単独世帯」がほぼ同程度ですが、単身世帯が年々増えています。
今後も単身の高齢者世帯は増えることが予想される中、老後の家計設計も時代に合わせた準備が必要になるでしょう。
5. まとめにかえて
老後を迎えたときの貯蓄保有額は、退職金の影響もあるとはいえ、現役時代からの積み上げも影響するでしょう。現役時代に散財をしていた人、コツコツ貯めていた人とでは差が出ます。
老後の準備としては「定期預金」や「資産運用」、「保険」などを活用する方法があります。
「資産運用」にも種類があり、老後資金を目的としたものではNISAやiDeCo、一部の個人年金保険や外貨建て終身保険などもありますね。
制度や金融商品によってそれぞれ特徴が異なるため、勉強することは大変ですが、もし「資産運用」や「保険」などで老後資金を準備するのであれば、知識が不可欠です。
「流行っているから」「なんとなく老後が不安だから」で始めるのではなく、自分にあった方法についてしっかり情報収集することが大切です。
まずは、自身の年金額を「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用して調べてみることが第一歩となるでしょう。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 厚生労働省「2023年 国民生活基礎調査の概況」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- PGF「『おとなの親子』の生活調査2024」
長井 祐人