5. 資産運用も活用して安定的な資産形成を目指そう
物価が上昇し生活費の負担が増す中、住民税非課税世帯等を対象とした10万円給付は、特に収入が限られている世帯にとって経済的な負担を和らげる重要な支援となったことでしょう。
ただし、物価上昇は日本に住んでいる誰もが直面する課題であるため、今後の生活のためにも計画的な資産形成が求められます。現在は、NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金制度)などを活用した少額からの資産運用が推奨されています。こうした制度を利用し、時間をかけて資産形成を進めることが可能です。
資産運用において大切なポイントは「分散」です。NISAやiDeCoは主に投資信託を通じて運用しますが、さらに債券や外貨なども含めて資産の種類を分けることで、リスクを抑えつつ安定した運用が期待できます。たとえば、日本円のみならず米ドルなど他の通貨を持つことで、地域ごとに影響を受けにくくすることも有効です。
また、資産運用は「時間分散」によるメリットも大きく、長期的な保有によって資産価値が向上する傾向が見られます。運用の開始時に資産価値の変動リスクが不安要因となることもありますが、リスクを理解し活用すれば、効率的に資産を育てることができるでしょう。
国の制度や公的保障を上手に活用しつつ、将来に向けての自助努力も不可欠です。今回の物価高や給付金を契機に、ご自身のライフプランを見直してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 東京都主税局「個人住民税(税金の種類)」
- 総務省「個人住民税」
- 武蔵野市「所得税は非課税でしたが住民税は課税になりました 非課税となる基準が異なりますか」
- 大阪市「個人市・府民税が課税されない方」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」
- 総務省「2020年基準消費者物価指数 全国2024年(令和6年)9月分」
野平 大樹