年金生活者を支援する給付金があることをご存じでしょうか。
日本年金機構は、2024年9月より順次、新たに支給対象者となった方へ年金生活者支援給付金請求書(はがき型)を送付しています。請求書の提出期限は同年9月30日です。2025年1月6日までに日本年金機構に請求書が届かなかった場合、請求した月の翌月分からの支給となり、2024年10月分から2025年1月分までの年金生活者支援給付金は受け取れません。
お手元に請求書がある方は、早急に提出しましょう。
今回は「年金生活者支援給付金」の支給対象の条件や申請方法を解説します。
シニア世代が受け取っている年金平均額についても紹介しますので、老後生活をイメージする参考になればと思います。
1. 「老齢年金生活者支援給付金」はどんな人が受け取れる?対象者・申請方法を確認
まずは、「老齢年金年金生活者支援給付金」の対象者について確認しましょう。
1.1 「老齢年金生活者支援給付金」の対象者はどんな人?
老齢年金生活者支援給付金は、以下の3つの要件をすべて満たす方が対象となります。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれない
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給
では、老齢年金生活者支援給付金の給付額はどのくらいなのでしょうか。
次章にて、2024年度の老齢年金生活者支援給付金の給付基準額の目安を見ていきましょう。
1.2 毎年約6万円が支給!「老齢年金生活者支援給付金」の給付基準額は?
公的年金の支給額は、物価や賃金の変動を考慮して毎年見直されています。
年金生活者支援給付金も同様に改定がされており、2024年度の基準額は「月額5310円」となりました。
たとえば、国民年金保険料を480カ月未納なく全て納めた方は、月額5310円、年間で6万3720円の給付金が支給されます。
留意点として、老齢年金生活者支援給付金の給付額は、給付基準額をもとに保険料納付済月数により計算されるため、実際に受け取る支給額は個人で異なります。
老齢年金生活者支援給付金の具体的な給付額は、月額5310円をもとに保険料納付済期間等に応じて算出し、①と②の合計額になります。
- ①保険料納付済期間に基づく額(月額) = 5310円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月
- ②保険料免除期間に基づく額(月額) = 1万1333円 × 保険料免除期間 / 被保険者月数480月
老齢年金生活者支援給付金は、2ヶ月に1回の年金支給日に年金とは別に支給されます。
国民年金を満額受給する人が老齢年金生活者支援給付金を受給する場合、国民年金として「月額6万8000円」、加えて給付金「月額5310円」が支給され、合計で月額7万3310円を受け取れることになります。
2. 【一覧表で一気見】厚生年金「60歳代〜80歳代」の平均年金月額
老後の主要な収入源は「公的年金」ですが、多くの人は公的年金だけで生活費をカバーすることを理想としているでしょう。
しかし、現代においては年金のみで老後を過ごすことが難しいのが現状です。
実際に厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯の41.7%が年金だけで100%生活していますが、過半数の世帯は給与や私的年金、仕送りなどの他の収入で不足分を補填しています。
では、現在のシニア世代は、毎月どの程度の年金を受給しているのでしょうか。
厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、60歳代・70歳代・80歳代の厚生年金の平均月額を1歳刻みで確認していきます。※いずれも国民年金部分を含む
2.1 【60歳代】60〜69歳:厚生年金の平均月額一覧
- 60歳:厚生年金9万4853円
- 61歳:厚生年金9万1675円
- 62歳:厚生年金6万1942円
- 63歳:厚生年金6万4514円
- 64歳:厚生年金7万9536円
- 65歳:厚生年金14万3504円
- 66歳:厚生年金14万6891円
- 67歳:厚生年金14万5757円
- 68歳:厚生年金14万3898円
- 69歳:厚生年金14万1881円
※65歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢が引き上げられたため、報酬比例部分のみを受給しています。
2.2 【70歳代】70〜79歳:厚生年金の平均月額一覧
- 70歳:厚生年金14万1350円
- 71歳:厚生年金14万212円
- 72歳:厚生年金14万2013円
- 73歳:厚生年金14万5203円
- 74歳:厚生年金14万4865円
- 75歳:厚生年金14万4523円
- 76歳:厚生年金14万4407円
- 77歳:厚生年金14万6518円
- 78歳:厚生年金14万7166円
- 79歳:厚生年金14万8877円
2.3 【80歳代】80〜89歳:厚生年金の平均月額一覧
- 80歳:厚生年金15万1109円
- 81歳:厚生年金15万3337円
- 82歳:厚生年金15万5885円
- 83歳:厚生年金15万7324円
- 84歳:厚生年金15万8939円
- 85歳:厚生年金15万9289円
- 86歳:厚生年金15万9900円
- 87歳:厚生年金16万732円
- 88歳:厚生年金16万535円
- 89歳:厚生年金15万9453円
3. 【一覧表で一気見】国民年金「60歳代〜80歳代」の平均年金月額
続いて、国民年金の平均月額についても、厚生労働省年金局の同資料から確認していきます。
3.1 【60歳代】60〜69歳:国民年金の平均月額一覧
- 60歳:国民年金4万2616円
- 61歳:国民年金4万420円
- 62歳:国民年金4万2513円
- 63歳:国民年金4万3711円
- 64歳:国民年金4万4352円
- 65歳:国民年金5万8070円
- 66歳:国民年金5万8012円
- 67歳:国民年金5万7924円
- 68歳:国民年金5万7722円
- 69歳:国民年金5万7515円
※65歳未満の国民年金受給権者は、繰上げ支給を選択したケースです。
3.2 【70歳代】70〜79歳:国民年金の平均月額一覧
- 70歳:国民年金5万7320円
- 71歳:国民年金5万7294円
- 72歳:国民年金5万7092円
- 73歳:国民年金5万6945円
- 74歳:国民年金5万6852円
- 75歳:国民年金5万6659円
- 76歳:国民年金5万6453円
- 77歳:国民年金5万6017円
- 78歳:国民年金5万5981円
- 79歳:国民年金5万5652円
3.3 【80歳代】80〜89歳:国民年金の平均月額一覧
- 80歳:国民年金5万5413円
- 81歳:国民年金5万5283円
- 82歳:国民年金5万7003円
- 83歳:国民年金5万6779円
- 84歳:国民年金5万6605円
- 85歳:国民年金5万6609円
- 86歳:国民年金5万6179円
- 87歳:国民年金5万6030円
- 88歳:国民年金5万5763円
- 89歳:国民年金5万5312円
4. まとめにかえて
今回は老齢年金の年金生活者支援給付金の概要や対象者について解説してきました。
また、シニア世代が受け取っている年金平均額についても確認しました。
年金生活者支援給付金制度の対象者には、給付金が支給されますが、満額でも月額5310円(2024年度の水準)です。物価上昇分を補う程度であり、これにより生活が「ラク」になるものではありません。
現役世代の人たちは、こうしたシニアの暮らしぶりを参考に、いまからできる対策を進めていくことが大切です。
老後資金を準備する上で検討したいのが資産運用。
近年、預金金利が低いことから、効率良く資産形成を進めるべく「新NISA制度」や「iDeCo」といった税制優遇制度を活用し、資産運用を行う人が増えています。
資産運用にはリスクもありますが、運用のポイントを抑えることでリスクを軽減することも可能です。
まずは、将来いくら準備することができれば安心した老後生活を送ることができるのか目標を設定し、目標を達成するためにどのような対策をすればいいか考えていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」
-
厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
奥野 友貴