10月は年金支給月でした。2024年度の年金額は2.7%の増額改定となっていますが、物価上昇に追いついていないことから実質的には目減りしている状態となっています。

「年金問題」においては、昨今さまざまな議論や懸念がされており、不安に思われている方も多いのではないでしょうか。

そのため、老後の年金生活への不安から、世代を問わず「資産運用」へ興味関心を持たれる方が年々増えています。

そこで、今回は実際に70歳代の夫婦世帯がどれくらいの貯蓄があるのかを確認していきます。また、年金がどれくらい給付されているのか、現代シニアのリアルを確認し、老後資金を積み立てるための参考にしてみてください。

1. 70歳代・二人以上世帯で「貯蓄3000万円以上」あるのはどれくらい?

「老後2000万円問題」として知られる老後資金についての不安、今から心配ですよね。

「70歳過ぎて3000万円あれば安心なのだろうか?」と思う方もいるかもしれません。

では、実際に退職後に手元にはいったいどれくらい資金があるのでしょうか。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」(令和5年)によると、70歳代で夫婦2人暮らしの世帯で貯蓄が3000万円以上あるのは、全体の19.7%でした。
※「金融資産を保有していない世帯」を含めたデータです。

1.1 【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄3000万円以上の割合

  • 19.7%

1.2 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値

  • 平均:1757万円
  • 中央値:700万円

つまり、貯蓄3000万円なのは、約5世帯に1世帯だけという結果です。

平均額は1757万円。中央値に至っては700万円にとどまっていることから、3000万円はかなりハードルが高い数字だとわかります。

続いて、シニア世帯の老後を支える公的年金である「厚生年金」「国民年金」のデータも見ていきましょう。