2024年9月25日、国税庁より「令和5年分 民間給与実態統計調査」が発表され、2023年の1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は460万円であることが明らかになりました。
物価上昇が続く中、大企業を中心に賃金が引き上げられており、同調査における平均給与は3年連続の上昇となっています。
現役でバリバリ働いているうちはいまの生活にフォーカスし、その時その瞬間を謳歌するのが一般的かもしれません。
しかし、老後に支給される公的年金のうち、厚生年金は現役時代の給与や賞与などの報酬により計算されるため、年収アップは老後の年金生活にも影響します。
そのため、老後対策を進める際には、こうした仕組みを含めて、公的年金について理解しておくべきといえるでしょう。
そこで本記事では、「標準的な夫婦世帯が年金支給日に約46万円を受給する」というケースをもとに老齢年金のしくみや実態を紐解いていきます。現シニア世代の平均受給月額も紹介しますので、参考にご覧ください。
1. 日本の公的年金制度「厚生年金と国民年金」の仕組みをおさらい
まずは、日本の公的年金制度の仕組みをおさらいしていきましょう。
日本の公的年金は、下図のように「国民年金と厚生年金」の2階建て構造になっています。
1.1 国民年金(1階部分)は誰が加入対象?
国民年金は、原則日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員が加入対象です。
保険料は年度ごとに見直しがされますが、全員一律となっています。
納付期間に応じて将来もらえる年金額が決まり、仮に40年間未納なく保険料を納めていれば満額受給が可能です。
1.2 厚生年金(2階部分)は誰が加入対象?
厚生年金は、公務員やサラリーマン(会社員)などが、国民年金に上乗せする形で加入する年金保険です。
保険料は、収入に応じて変わり(上限あり)、加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決定します。
年金は、個人によって「加入する年金タイプ」や「納付期間」などが異なるため、将来の年金受給額には差があります。
特に厚生年金は年収に応じて保険料が変わるため、受給額に大きな個人差が生じるのが特徴です。
次章にて、2024年度における国民年金・厚生年金それぞれの年金額例を確認していきましょう。