4. 【厚生年金】夫婦で「46万円」振り込まれていた!これって振込間違い?
2024年度の厚生年金の年金額例は、夫婦2人分で「月23万円」でした。
この年金モデルと同様の世帯条件の場合、「23万円」の年金支給を心待ちにするかもしれませんが、実際の年金支給日に振り込まれる金額は「46万円」です。
23万円ではなく、46万円が振り込まれる理由は「公的年金は2ヶ月分がまとめて振り込まれるから」です。
年金は、原則年に6回偶数月の15日(土日祝日の場合は直前の平日)に2ヶ月分がまとめて支給されます。
たとえば、次の年金支給日は2024年10月15日ですが、この日に支給されるのは「2024年8月分」と「2024年9月分」の2ヶ月分の年金です。
上記から、月に23万円の年金を受け取れる世帯の場合は、2ヶ月分となる46万円が振り込まれるのです。
年金生活者にとっては既知のルールとなりますが、現役世代やはじめて年金を受け取る人は「毎月支給されない」ことはあまり知られていません。
現役時の給与と、収入を受け取れる間隔が異なるため、老後の家計収支をシミュレーションする際は、年金支給日のタイミングも考慮しておくと良いでしょう。
5. まとめにかえて
年金額や貯蓄額には個人差があります。同じように不足に感じる金額も人それぞれです。
また年金の給付水準自体は物価や賃金を考慮して、年度ごとに見直しが行われます。
現時点で自分が将来どれくらいの老齢年金を見込めるか知りたい方は、「ねんきん定期便」や日本年金機構の「ねんきんネット」を使ってみるのがおすすめです。
老後対策の第一歩としてまずは自分の年金額を把握してみましょう。
現時点で不足を感じられる方は、どうやって補うか「前もっての準備」が大切です。
低金利の日本ではどんなに時間をかけても効率的に資産を増やすことはもはや不可能です。
そこで活用していきたいのがお金に働いてもらうこと=資産運用です。
貯蓄とは異なり、資産運用にはリスクがともないます。大切なことは「長期・分散・積立」の3つのポイントをおさえることです。
リスクの許容度も人によって個人差があります。現在は国も自助努力を後押しする仕組み、制度を用意してくれていますので、メリット・デメリットをきちんと把握した上でご自身に合った方法を取り入れてみてください。
スタートは早いに越したことはありません。無理なく時間を味方につけて将来のセカンドライフを楽しみましょう。
参考資料
- 国税庁「民間給与実態統計調査」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」
- 日本年金機構「ねんきんネット」
笹村 夏来