3. 公的年金(国民年金・厚生年金)のしくみ
日本の公的年金制度は「1階:国民年金」「2階:厚生年金」の2階建て構造です。
3.1 国民年金:1階部分
- 加入対象:原則、日本に住む20歳から60歳までの全員
- 年金保険料:全員定額(※1)
- 老後の年金額:全期間(40年間)保険料を納めると、満額(2024年度の月額6万8000円)受給できる
国民年金の被保険者は、働き方などにより「3つに分類」されます。
国民年金の被保険者
- 第1号被保険者:20歳以上の学生や自営業者など。一律の保険料を一定期間以上(※2)納めることで、老後に老齢基礎年金が受け取れる
- 第2号被保険者:会社員や公務員、一定の要件を満たすパート・アルバイトの方など。厚生年金にも加入し、収入などに応じた保険料を納めることで将来、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取れる
- 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者。保険料の納付義務はなく、将来は老齢基礎年金が受け取れる
(※1)国民年金保険料:2024年度は月額1万6980円(毎年度改定されます)
(※2)原則、保険料納付済等期間が「10年以上」必要です。ただし、保険料納付済等期間が10年に満たない方でも、国民年金の「任意加入」や「後納制度」により、保険料納付済等期間が10年以上になると年金の受給権が発生します。
3.2 厚生年金:2階部分
- 加入対象:会社員や公務員、パート・アルバイトで一定要件を満たした方(※国民年金に上乗せで加入)
- 年金保険料:給与や賞与に応じて決定される(上限あり)
- 老後の年金額:納付済保険料額や年金加入期間で計算されるので、個人差が生じやすい
会社員や公務員、一定の要件を満たすパート・アルバイトの方などは「第2号被保険者」となり、国民年金に上乗せして厚生年金に加入します。
収入が多く、厚生年金保険に長く加入した方ほど、受給できる厚生年金が多くなるしくみです。ただし、厚生年金保険料には上限があるため、収入が多くても受給できる厚生年金は頭打ちになるケースもあります。
次は、国民年金と厚生年金の「平均額」を見ていきましょう。