キヤノン、18年2Qは産業機器事業の営業利益が84.9%増 半導体露光装置の販売好調が寄与 

2018年7月26日に行われた、キヤノン株式会社2018年12月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:キヤノン株式会社 代表取締役副社長 CFO 田中稔三 氏

2018年12月期第2四半期決算説明会

田中稔三氏:大変お待たせいたしました。キヤノン株式会社の2018年12月期第2四半期の4-6月でございますが、連結決算がまとまりましたので、ただいまお配りいたしました資料に基づきまして、その概況をご説明させていただきます。

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1. ビジネスユニット別売上⾼/営業利益

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それでは、まず1ページ目でございます。この第2四半期の業績のサマリーでございます。2018年の第2四半期の世界経済は、先進国では景気の拡大局面が続きまして、また新興国においても成長が持続しております。

為替につきましても、昨年(2017年)同期と比較いたしますと、ドルに対しては若干の円高になったものの、ユーロに対しては大幅な円安となっておりまして、全体では当社業績に対しては、プラスという影響でございます。

こうした中で当社の第2四半期は、各事業において投入してまいりました新製品が牽引役となりまして、対前年で増収増益を達成いたしました。第2四半期の売上が1兆円を超えますのは、2008年以来で10年ぶりの記録でございます。

今年(2018年)は、第1四半期こそ減収でございましたが、好調な産業機器に加えて、メディカルシステムがこの第2四半期でプラス成長に転じまして、上期全体でも増収を達成しております。

利益につきましても、すべての利益項目で増益を達成いたしまして、収益性の改善も確実に進んでおります。

なお、今年よりサービスの売上、売上原価を独立表示することに伴いまして、従来この販管費で集計、計上をしておりましたが、このサービスコストの一部を売上原価に組み替えておりますので、この影響を除きますと、売上総利益率は50.0パーセントで、前年の水準を上回っております。

当社の収益基盤であります現行事業は、複合機やレーザープリンターの新製品が順調に伸びるとともに、消耗品の販売も安定的に推移して、着実に売上を拡大させております。

また、露光装置は引き続き旺盛な需要を捉えまして、好調な販売を持続して前年を大きく上回っております。

新規事業につきましては、メディカルシステムが新製品効果もありまして、海外で売上を伸ばし増収に転じて(おります)。またネットワークカメラや有機EL蒸着装置も成長を持続させております。

以上によって、当四半期の売上高は対前年1.4パーセント増の1兆64億円。営業利益は対前年4.4パーセント増の980億円となっております。

3. 地域別・ビジネスユニット別売上⾼

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続きまして、2ページ目でございます。今申しました、第2四半期のビジネスユニット別の売上高の状況でございます。

まず、オフィスビジネスユニットでございますが、複合機の次世代カラー機と新興国向けの戦略機種が、それぞれ好調な販売を示しております。

これらの新製品は、交換パーツの長寿命化によって、ユーザーあるいはディーラーの双方に大幅な生産性の改善をもたらした点が、高く評価をされております。

また、個人の認証とプリント管理などのソリューション機能を、業界で初めて標準装備をした新モデルも投入いたしまして、ラインナップの強化を図っております。

レーザープリンターにつきましては、昨年(2017年)秋より順次発売をしております、普及価格帯のモノクロ及びカラーの新製品が牽引役となりまして、前年を上回る販売台数となっております。

以上の結果、オフィスビジネスユニット全体では、対前年1.5パーセントの増収でございます。

次に、イメージングシステムビジネスユニットでございますが、当社をはじめ各社の新製品投入による需要喚起によって、市場の対前年での縮小幅は着実に減少しております。

当社のレンズ交換式カメラの販売台数も、ほとんど市場と同じ対前年3パーセント減にとどめております。

こうした中で、ミラーレスの戦略機種として投入をいたしました「EOS Kiss M」は、エントリー機ながら上位機種と同等の撮影機能と、初心者でも使いやすい操作性によりまして販売を伸ばし、当社はミラーレスカテゴリでも(2018年)上期(1月-6月)に国内シェア1位を達成しております。

以上の結果、イメージングシステムビジネスユニットの売上高は、対前年7.8パーセントの減収となっております。

次に、メディカルシステムビジネスユニットでございますが、最大市場でありますアメリカの(売上)回復や、新興国での新規需要の高まりによりまして、市場は順調に拡大をしております。

当社もCT、あるいは超音波診断装置などの新製品を中心に売上を伸ばし、海外での売上が二桁成長を記録した結果、全体でも増収増益を達成しております。

以上の結果、メディカルシステムビジネスユニットの売上高は、対前年6.9パーセントの増収でございました。

最後に産業機器その他ビジネスユニットでございますが、旺盛なメモリー需要を背景に、顧客の投資意欲が続く中、生産性とコストパフォーマンスで高い評価を受けている当社の半導体露光装置は、販売台数を大きく伸ばしております。

また、フラットパネルディスプレイ関連でも、フラットパネルディスプレイの露光装置と有機EL蒸着装置は、ともに前年から販売を伸ばすとともに、ネットワークカメラも二桁パーセントの成長を実現しております。

以上の結果、産業機器その他ビジネスユニットの売上高は、対前年16.1パーセントという大幅な増収となっております。

5. 為替影響

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続きまして、3ページ目でございます。2018年通期の業績の見通しでございます。

前提条件として、世界経済は世界の貿易摩擦、あるいは政治情勢を巡る不透明感が残っておりますけれども、企業業績や個人消費の回復は続いておりまして、緩やかに拡大していくものと見ております。

また、為替レートの前提につきましては、足元の状況を勘案して、ドルは前回の107円から110円に、ユーロは132円から130円にそれぞれ見直しております。

(続きまして)通期の業績のサマリーでございます。

こうした中で、下期につきましても現行事業では順調に推移している新製品の販売をもう一段加速(してまいります)。新規事業につきましても、これまでの盛況の勢いを持続させて、年間では2007年の過去最高業績に次ぐ売上高の達成を目指してまいりたいと考えております。

収益性の面では、自動化や内製化をさらに積極的に進めるなど、積極的に展開して原価の低減を図るとともに、引き続き選択と集中によって開発費の改善を進めるなど、グループを挙げて徹底的な経費の見直しに取り組むことで、利益率を前年(2017年)から引き上げる計画でございます。

なお、従来は管理費に計上しておりましたサービスコストの一部を売上原価に組み替えた影響を除きますと、売上総利益自身は前年の水準を上回る見込みでございます。

前回見通しに対しましても、複合機は、普及価格帯モデルの性能が総保有コストや品質の面で大幅に改善しておりまして、従来なかった上位機種の顧客層からの引き合いも増えております。

レンズ交換式カメラにつきましても、上位機種と同水準の撮影機能を搭載し、操作性の向上にも取り組んできたエントリーモデルが高く評価をされまして、幅広いユーザーに対して販売を伸ばしております。

その結果、複合機、レンズ交換式カメラともに、普及価格帯の売上構成比が急速に高まったことを受けまして、それぞれ販売台数は据え置いておりますけれども、金額換算した売上につきましては引き下げております。

メディカルシステムにつきましても、(2018年)4月に国内で施行された診療報酬改定による買い控えが予想以上に長引いていることで、売上に反映をさせております。

また、急速に加熱していた有機ELのパネル向けの投資が一時的な調整局面に入りまして、パネルメーカーの投資計画が先送りされたことなどを踏まえまして、今回全社で売上高を1,800億円、営業利益を255億円、それぞれ引き下げております。

しかしながら、各事業の新製品の販売は順調に推移しておりますので、第2四半期で増収増益に転じたこのモメンタムを加速させて、年間でも2年連続となる増収増益を目指してまいりたいと考えております。

7. 研究開発費/設備投資/減価償却費

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続きまして、4ページ目でございます。今説明をいたしました、通期のビジネスユニット別の売上でございます。オフィスビジネスユニットでは、上期にラインナップの強化を図った複合機は、この下期から外部連携クラウドサービスを新たに始めております。

この新製品は、誰でも簡単に扱える個人認証やプリント管理などのソリューション機能を標準装備したことで、ユーザーの生産性向上に貢献しておりますが、このクラウドサービスによってさらに製品の魅力を高め、販売を加速してまいりたいと考えています。

また、レーザープリンターは、省スペースや省電力といった競争優位性を有する新製品が順調にシェアを高めておりまして、新製品の販売構成比の上昇に伴いまして、消耗品売上高も安定して伸びてきていまして、今後も収益性の向上につなげてまいりたいと考えています。

以上によりまして、オフィスビジネスユニットは、対前年1.8パーセントの増収でございます。

次に、イメージングシステムビジネスユニットでございますが、レンズ交換式カメラ市場は、4パーセント程度のマイナス成長を見込んでいましたが、当社はほぼ前年並みの550万台を販売し、50パーセントのシェアを目指しています。

こうした中で、ミラーレス戦略機種が上期の発売以来順調に販売を伸ばしまして、レンズ交換式カメラを初めて使うユーザーの取り込みに成功しています。

今後も引き続き新規事業の掘り起こしを図るとともに、当社のフルラインナップを一層強化するために、下期の商戦に向けてさらに新製品を投入してまいりたいと考えています。

また、インクジェットプリンターは、先進国向けには小型モデルやビジネス機を、新興国には大容量インクモデルの浸透を図るなど、地域の特性に見合った機種を強化していきたいということで、年間では前年を上回る販売台数を目指してまいります。

ただ、こうしたことによって、イメージングシステムビジネスユニットの売上高は、対前年3.1パーセントの減収に留める見通しでございます。

次に、メディカルシステムビジネスユニットでは、上期にMRIやX線血管撮影装置の新製品を相次いで発売しています。これまでに投入いたしましたCT、あるいは超音波診断装置の新製品と合わせまして、ラインナップの刷新を完成させていきます。

今後はこうした新製品の海外での認知度を高めて、海外売上を伸ばしながら、事業の拡大を図っていきます。以上によって、メディカルシステムビジネスユニットの売上高は、対前年3.2パーセントの増収でございます。

最後に、産業機器その他ビジネスユニットでございますが、メモリーを中心に旺盛な半導体需要に支えられて、当社の半導体露光装置の販売台数は、年間では対前年でほぼ倍増となる見込みでございます。

さらに、ネットワークカメラにつきましても、成長が続く市場において、上期は欧米を中心に大きく売上を伸ばしましたが、本体や映像解析ソリューションの重要なラインナップを生かして、さらに販売を伸ばし年間でも二桁パーセントの成長を実現してまいります。

以上によって、産業機器その他ビジネスユニットの売上高は、対前年5.2パーセントの増収となる見込みでございます。

なお、5ページ以下は参考資料が添付されていますので、後ほどご覧いただければ幸いでございます。私からの説明は以上でございます。どうも長時間、ご清聴ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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