株式市場の振り返り-日経平均株価は3日ぶり反落、TOPIXは堅調に3日続伸

2018年7月26日(木)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 22,586円(▲27円、▲0.1%) 3日ぶり小反落
  • TOPIX 1,765.7(+12.3、+0.7%) 3日続伸
  • 東証マザーズ総合指数 1,056.8(▲6.8、▲0.6%) 3日ぶり反落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,733、値下がり銘柄数:309、変わらず:61
  • 値上がり業種数30、値下がり業種数:3
  • 年初来高値更新銘柄数:70、年初来安値更新銘柄数:2

東証1部の出来高は12億5,281万株、売買代金は2兆3,957億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。米国と欧州連合(EU)の貿易戦争回避が合意したことでリスクオンモードとなった一方、その合意に自動車が含まれていないこと等から、今後に対する懸念も根強かったようです。

活況な商いとは言い難かったものの、売買代金は2兆4,000億円近くまで増加しました。

そのような中、日経平均株価は方向感に乏しい値動きとなりました。寄り付き後に一時+102円高まで上昇しましたが、直後に一時▲64円安まで急反落する場面も見られました。

その後も売りに押されてマイナス圏に沈む時間帯が長く、結局は小幅下落ながら3日ぶりの反落で引けています。

なお、TOPIXは日経平均株価とは対照的に終日プラス圏で推移し、終値も3日続伸となりました。これは、日銀の金融政策の微調整実施の観測報道を受け、銀行株や自動車株など日経平均株価への寄与度が小さい大型株が買われた影響と見られます。

東証マザーズ総合指数は3日ぶり反落、売買代金は10日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は4,494万株、売買代金は818億円となり、いずれも前日より増加しました。増加はしたものの、相変わらず個人投資家の物色意欲の戻りは鈍く、売買代金は10日連続で1,000億円を下回る低調な商いとなっています。

また、総合指数も3日ぶりの反落となりました。再び1,000ポイント割れの懸念が高まる中、個人投資家の投資意欲を刺激するような物色テーマの登場が待たれます。

受注減速のファナックが一時▲6%安に迫る急落、エーザイは一時▲20%超安の大暴落

個別銘柄では、前日に決算発表を行って受注減速が明らかとなったファナック(6954)が、一時▲6%安に迫る急落となり、日経平均株価への寄与度の高いファーストリテイリング(9983)とソフトバンクグループ(9984)も大幅下落となりました。

また、新型のアルツハイマー認知症治療薬の臨床結果が期待外れと受け止められたエーザイ(4523)が一時▲20%超安の大暴落となり、その後にやや戻したものの、終値でも▲10%超安となっています。

その他では、前日に決算発表を行った日本電産(6594)と日立建機(6305)が好決算だったにもかかわらず、大幅安となったのが目を引きました。

一方、TOPIXでの構成比の高いトヨタ自動車(7203)やデンソー(6902)など自動車関連株が総じて買われ、スズキ(7269)は年初来高値を更新しました。ただ、三菱自動車(7211)だけは冴えない値動きとなりました。

また、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)など銀行株や、東京電力ホールディングス(9501)など電力株も買い戻しが顕著となって値を上げています。

その他、前日に決算発表を行った銘柄の中では、アドバンテスト(6857)が一時+9%超高の爆騰となったのが注目を集めました。

新興市場では、ユーザベース(3966)が大幅下落となり、メルカリ(4385)やシェアリングテクノロジー(3989)も大きく値を下げました。一方、串カツ田中ホールディングス(3547)が大幅高となり、サンバイオ(4592)も堅調な値動きとなったようです。

青山 諭志