2. 支給開始年齢の決定ポイント

年金は、一度受け取り始めると、原則として支給開始のときに決定された額が生涯の年金額となります。そのため、受給開始年齢を決定するのはその後の生活において重要なポイントです。受給開始年齢を決めるときは、「寿命や健康状態」や「仕事の継続状況」などを考慮することが望ましいでしょう。

2.1 寿命や健康状態

老齢年金は原則として亡くなるまで受け取れるものであるため、老後の生活において最も重要な収入となります。

そのため、一般的な平均寿命や自身の健康状態を考慮し、いつまで年金を受け取ることになるのかを見積もって、自分のその他の資産や収入と合わせて、どのくらいの年金収入があれば生活ができるのかを逆算することが必要です。

2.2 仕事の継続

60歳や65歳以降も厚生年金に加入をするような働き方をする場合、年金と給与の合計額によっては、年金の一部または全部が支給停止になる「在職老齢年金」の制度があります。

支給を早めても他に収入があることで支給が停止してしまうと、年金額の減額だけがされて受給できないことになるので注意しましょう。

さらに、年金と給与収入が合わさることで年間の収入合計が高額になり、所得税の税率が高くなることも考えられます。

在職老齢年金の計算方法フローチャート

在職老齢年金の計算方法フローチャート

出所:日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」