3. 「年金生活者支援給付金」とは?各種の要件と金額をチェック
年金生活者支援給付金は、消費税が8%から10%に増税された分を活用し、年金を含めても所得が低い方の生活の支援を図ることを目的に支給されます。
消費税が増税された2019年からはじまった恒久的な制度となっており、年金に上乗せして支給されるのが特徴です。
「老齢基礎年金」「障害基礎年金」「遺族基礎年金」のいずれかを受給中で、それぞれの支給要件を満たしている方へ年金生活者支援給付金が支給されます。
ここからは「老齢年金生活者支援給付金」について詳しく見ていきます。
3.1 「老齢年金生活者支援給付金」給付金額と対象者
「老齢年金生活者支援給付金」の支給対象となるのは、老齢年金を受給中で、公的年金などの収入金額やその他の所得が一定基準以下となった方です。
老齢年金生活者支援給付金は、年金に上乗せして支給されます。
次は、老齢年金生活者支援給付金の「給付金額」と「対象者」を確認していきましょう。
3.2 給付金額と対象者
<給付金額>
- 保険料納付済期間に基づく額(月額)= 5310円 × 保険料納付済期間/被保険者月数480月
- 保険料免除期間に基づく額(月額)= 1万1333円 × 保険料免除期間/被保険者月数480月
上記の計算方法に基づき、老齢年金生活者支援給付金の支給額が決定します。
なお、50銭未満の端数が生じた場合は切り捨てとなり、50銭以上1円未満の端数が生じたときは1円に切り上げとなります。
老齢年金生活者支援給付金が支給されるのは、以下の支給要件を全て満たす方です。
<老齢年金生活者支援給付金の支給要件>
- 65歳以上で、老齢基礎年金を受給者している方
- 老齢年金生活者支援給付金を請求する方の、世帯全員の市町村民税が非課税
- 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が以下の要件に該当する方
なお、障害年金・遺族年金などの非課税収入は、支給要件に含まれません。
生年月日により、老齢年金生活者支援給付金の支給要件が異なります。
1956年4月2日以後生まれの方|支給要件
- 老齢年金生活者支援給付金…78万9300円以下
- 補足的老齢年金生活者支援給付金…78万9300円を超え88万9300円以下
1956年4月1日以前生まれの方|支給要件
- 老齢年金生活者支援給付金…78万7700円以下
- 補足的老齢年金生活者支援給付金…78万7700円を超え88万7700円以下
ここからは、老齢年金生活者支援給付金の「給付額の例」として、1956年4月2日以降に生まれた方のケースを見ていきます。
「給付額の例」老齢年金生活者支援給付金(1956年4月2日以後生まれの方の場合)
- 納付済月数:240カ月 全額免除月数:60カ月の場合
①5310円×240÷480月=2655円
②1万1333円×60÷480月=1417円
①2655円+②1417円=老齢年金生活者支援給付金の月額4072円
年金保険の納付済月数が240カ月、全額免除月数が60カ月の場合、老齢年金生活者支援給付金の月額は4072円です。
ただし、「全額免除月数」や「年金保険料の納付済月数」などにより、老齢年金生活者支援給付金の支給額が異なります。
毎年9月の第1営業日から「新たに老齢年金生活者支援給付金の支給対象」となる方へ向けて、給付金請求書が日本年金機構より順次送付されており、受給するには申請手続きが必要です。
給付金請求書が届いた方は、申請漏れがないよう手続きを行いましょう。