日本の社会保障制度の1つである公的年金。
老後生活において大切な収入源となる「国民年金・厚生年金」ですが、年金収入だけで生活できないシニア世帯は少なくありません。厚生労働省「2023（令和5）年 国民生活基礎調査の概況」によると、公的年金や恩給のみで生活できる高齢者世帯は41.7％。約6割が年金以外の収入で不足分を補っていることがわかります。
では、実際に現シニア世代の方々は、年金を月額いくら受け取っているのでしょうか。
本記事では、最新の厚生年金と国民年金の受給額を確認していきます。
1. 公的年金「国民年金・厚生年金」のしくみを知る
公的年金は国民年金と厚生年金の2つの制度から成り立ちます。
現役時代の年金加入状況により、老後に受給できる年金額が異なるため、しくみや各制度の特徴を理解しておく必要があります。
上図のとおり、公的年金制度の基礎部分にあたるのが国民年金で、厚生年金は国民年金の上に位置するイメージです。
このような構造上、公的年金制度は建物に例えられ「2階建て」といわれています。
国民年金と厚生年金のそれぞれの特徴は以下のとおり。
1.1 国民年金（基礎年金）
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律（年度ごとに改定あり）※2024年度は月額1万6980円
- 保険料の納付期間に応じて将来もらえる年金額が決まる※2024年度の満額は月額6万8000円
自営業者などの第1号被保険者は、国民年金の保険料を自身で納付します。
会社員・公務員などの第2号被保険者と、第2号被保険者に扶養される配偶者である第3号被保険者は、第2号被保険者が加入する厚生年金にて保険料が負担されるため、個人で納付する必要はありません。
1.2 厚生年金
- 公務員やサラリーマンなどが国民年金に上乗せして加入する
- 毎月の給与や賞与などの報酬に応じた保険料を支払う（上限あり）
- 加入期間や保険料の納付額に応じて計算され、国民年金に上乗せして支給される
厚生年金の保険料は報酬に応じて決定します。給与や賞与の明細書で保険料額を確認してみると良いでしょう。
老後に受給する年金額は「国民年金＋厚生年金」です。厚生年金部分は、加入期間や保険料により計算されます。
では、現代のシニア世代が実際に月いくら年金を受給しているのか、次章で詳しく見ていきましょう。
