3. 年金収入だけでは生活できない世帯は半数以上
年金受給額においては天引きされるお金があるため、「思ったより少ない」と感じた方もいるのではないでしょうか。
そこで、現シニア世帯が年金収入だけで生活ができているのか、厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」を元に見ていきましょう。
同資料では、100%年金収入だけで生活している世帯は全体の41.7%という結果となりました。半数以上の世帯が年金だけでは生活できていないことが分かります。
老後における公的年金の重要性は高いものの、実際に年金収入のみで生活を送ることは容易ではないようです。
老後の資金作りに工夫が求められます。
4. まとめにかえて
退職をして老後を迎えると、現役時代に比べ時間に余裕ができます。その時間を趣味や教養などにあてることができるかもしれません。
しかし、公益財団法人生命保険文化センターの「生活保障に関する調査(令和4)」によると、老後夫婦2人でゆとりある生活を送るためには平均「37万9000円」必要と言われています。
ここまで公的年金の平均受給額を確認してきましたが、年金収入だけでは「老後ゆとりある生活」の実現のハードルは高いでしょう。
まずは年金見込み額を把握して、老後までの資産づくり計画を立てることが大切です。
現金貯金だけではなく、資産運用を活用するのも良いでしょう。
NISAやiDeCoのような税制優遇制度では資産が増える可能性があるだけではなく、税制面でも恩恵があり効率の良い資産づくりが期待できます。
参考資料
- 厚生労働省「保険料(税)の特別徴収」
- 厚生労働省「介護保険制度の概要」
- 厚生労働省「高齢期における年金制度」2023年10月24日
- 豊中市「公的年金からの特別徴収額が10月から急に高くなったのはなぜですか」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
- 公益財団法人 生命保険文化センター「生活保障に関する調査(令和4)」
LIMO編集部