秋の気配が漂い始め、暑さも少し和らいで過ごしやすくなってきました。季節の変わり目は体調を崩しやすい時期ですが、病院に行く際の医療費が気になることも多いでしょう。
日本の国民皆保険制度があるおかげで、比較的安価に高度な医療を受けられます。
病院に行って健康保険証を提示すると、原則医療費の自己負担は3割負担で済みます。
今年12月より、マイナンバーカードと健康保険証が一体化されます。
そこで今回は一体化されることによりどんなメリットがあるのか確認していきます。
「後期高齢者医療制度」に焦点をあてて、制度の仕組みや全国平均保険料なども見ていきたいと思います。
1. 8月に「後期高齢者医療制度」の保険証が更新!有効期限に注意
後期高齢者医療制度の保険証は「7月末に有効期限」を迎え、8月1日に新しいものが交付されます。
基本的に2年ごとの更新となりますが、今年は有効期限が「令和7年7月31日」のものが送付されています。
これは、12月にマイナンバーカードとの一体化が控えているためです。
なお、「自己負担割合」に変更がある人もいるので注意が必要です。
1.1 【後期高齢者医療制度】医療費の自己負担割合が変わる人も
医療費の自己負担割合は、住民税課税所得などに基づき、毎年8月1日に見直しがされています。
つまり、前年の所得に変動があれば、自己負担割合も変わる可能性があるということです。
年金収入だけの場合は大きな変動は少ないですが、株式や不動産から一時的な収入があると、その年だけ所得が上がり、負担割合が変わることがあります。
「翌年の税金が上がるかも」と意識していても、医療費や介護費の自己負担が増えており、驚いてしまうケースもあるので注意が必要です。
2022年10月1日には、新たに「2割負担」が導入され、一部の人に影響が出ました。
- 3割負担:現役並み所得者(同じ世帯の被保険者の中に住民税課税所得が145万円以上の方がいる場合)
- 2割負担:一定以上所得のある方
- 1割負担:一般所得者等(同じ世帯の被保険者全員の住民税課税所得がいずれも28万円未満の場合など)
※世帯の状況によって基準となる所得が変わるため、くわしくはお住まいの自治体窓口等でご確認ください。
これまで1割負担だった人が2割や3割になるということは、実質的に医療費が2倍・3倍になることを意味します。
自己負担割合が大きくなった場合、家計に大きな影響を与える可能性があるため、保険証が届いた際には、自己負担割合を必ず確認することが重要です。
次章にて、マイナンバーカードと健康保険証の一体化について確認します。
2. 2024年12月2日から「マイナンバーカードと健康保険証」が一体化
2024年12月2日から、現行の紙の健康保険証の新規発行が終了し、マイナンバーカードと健康保険証が一体化されます。
これは後期高齢者医療制度だけでなく、すべての健康保険で行われます。
現行の健康保険証は、2024年12月2日から最長1年間、既存の保険証は有効期間中に限り使用可能です。
もし、マイナ保険証を持っていない場合でも、「資格確認書」が交付され、それを使って受診することが可能です。
厚生労働省は、マイナンバーカードでの受診には以下のようなメリットがあるとしています。
2.1 メリット1:より良い医療が可能になる
マイナ保険証を活用すれば、これまでの健診情報や薬剤情報を初めての医療機関でも共有することできるため、適切な医療が受けやすくなります。
2.2 メリット2:健康管理に役立つ
マイナンバーカードの保険証を利用すると、マイナポータルを通じてこれまでの特定健診の情報や薬剤情報を簡単に確認できるようになります。
これにより、自身の健康管理がより効率的に行えるようになります。
2.3 メリット3:医療費控除の申告が簡単になる
マイナポータルを通じて、確定申告の医療費控除手続きができるようになるため、医療費控除の申告がより簡単に感じられるようになるでしょう。
2.4 メリット4:高額な医療費の立て替えが不要になる
マイナ保険証を使うと、高額な医療費の立て替えが不要になります。
もともと高額療養費制度により、1か月あたりの自己負担額には上限がありますが、一度は全額を立て替える必要があったため、手間を感じていたかもしれません。
しかし、マイナ保険証の導入により、高額な医療費の立て替えが不要になったことから、こうした不便さが解消されるようになります。
デジタル庁によれば、一部例外を除き、すべての医療機関と薬局でマイナ保険証の受付が義務化されており、今後の制度浸透が期待されています。
次に、後期高齢者医療制度における平均的な保険料を都道府県ごとに確認してみましょう。
3. 【後期高齢保険料】保険料率と全国平均
後期高齢者医療制度における被保険者一人当たり平均保険料額は、全国平均で下記のとおりとなっています(2024年度と2025年度)。
3.1 2024年度:後期高齢者医療制度の保険料率と全国平均
- 被保険者均等割額の年額:5万389円
- 被保険者均等割額の月額:4199円
- 所得割率:10.21%
- 平均保険料額の年額:8万4988円
- 平均保険料額の月額:7082円
3.2 2025年度:後期高齢者医療制度の保険料率と全国平均
- 被保険者均等割額の年額:5万389円
- 被保険者均等割額の月額:4199円
- 所得割率:10.21%
- 平均保険料額の年額:8万6306円
- 平均保険料額の月額:7192円
ただし、上記はあくまでも全国平均であり、実際の保険料は下記の2つの合計で算出されます。
- 均等割額:被保険者が均等に負担する保険料
- 所得割額:被保険者の前年の所得に応じて負担する保険料
次章では、「年金収入195万円の単身世帯の人」をモデルとして、全国の保険料を比較していきます。
4. 都道府県別の「後期高齢保険料の例」を確認
昨年の年金収入が195万円だったという単身世帯の人をモデルとして、都道府県別の保険料を比較しています。
4.1 後期高齢者医療制度の2024年度の保険料比較
4.2 後期高齢者医療制度の2024年度の保険料比較
- 全国:5411円
- 北海道:6025円
- 青森県:5170円
- 岩手県:4583円
- 宮城県:5025円
- 秋田県:4808円
- 山形県:5017円
- 福島県:4937円
- 茨城県:5125円
- 栃木県:4883円
- 群馬県:5317円
- 埼玉県:4858円
- 千葉県:4775円
- 東京都:5044円
- 神奈川県:5213円
- 新潟県:4633円
- 富山県:5033円
- 石川県:5409円
- 福井県:5458円
- 山梨県:5685円
- 長野県:4845円
- 岐阜県:5167円
- 静岡県:5033円
- 愛知県:5858円
- 三重県:5212円
- 滋賀県:5119円
- 京都府:5886円
- 大阪府:6211円
- 兵庫県:5812円
- 奈良県:5667円
- 和歌山県:5808円
- 鳥取県:5608円
- 島根県:5345円
- 岡山県:5500円
- 広島県:5211円
- 山口県:6124円
- 徳島県:5792円
- 香川県:5617円
- 愛媛県:5460円
- 高知県:5833円
- 福岡県:6357円
- 佐賀県:5967円
- 長崎県:5508円
- 熊本県:6196円
- 大分県:6184円
- 宮崎県:5458円
- 鹿児島県:6275円
- 沖縄県:5913円
福岡県は6357円、岩手県は4583円となり、同じ年収でも保険料に月額で約1700円程度の違いが生じています。
なお、2025年度には、さらに保険料があがります。
4.3 後期高齢者医療制度の2025年度の保険料比較
- 全国:5673円
- 北海道:6325円
- 青森県:5415円
- 岩手県:4808円
- 宮城県:5216円
- 秋田県:5042円
- 山形県:5283円
- 福島県:5056円
- 茨城県:5358円
- 栃木県:4991円
- 群馬県:5567円
- 埼玉県:5067円
- 千葉県:5008円
- 東京都:5355円
- 神奈川県:5440円
- 新潟県:4850円
- 富山県:5033円
- 石川県:5573円
- 福井県:5458円
- 山梨県:6003円
- 長野県:5156円
- 岐阜県:5400円
- 静岡県:5275円
- 愛知県:6117円
- 三重県:5475円
- 滋賀県:5371円
- 京都府:6180円
- 大阪府:6495円
- 兵庫県:6134円
- 奈良県:5833円
- 和歌山県:6125円
- 鳥取県:5892円
- 島根県:5618円
- 岡山県:5758円
- 広島県:5438円
- 山口県:6408円
- 徳島県:6033円
- 香川県:5892円
- 愛媛県:5719円
- 高知県:6100円
- 福岡県:6641円
- 佐賀県:6250円
- 長崎県:5792円
- 熊本県:6259円
- 大分県:6509円
- 宮崎県:5675円
- 鹿児島県:6592円
- 沖縄県:6410円
2025年度には、同じ年収でも保険料に月額で約1800円の差が生じる見込みで、2024年度と比べてさらに差が大きく広がっています。
これらの保険料は、年金から直接天引きされるケースも多く、年金の手取り額に大きな影響を与えることが予想されます。
5. まとめにかえて
今回は、「後期高齢者医療制度」を中心に、所得に応じた自己負担割合や全国平均保険料について確認してきました。
75歳以上であっても、所得によって医療費の負担割合が変わってきます。所得というと、年金だけではなく、将来受け取る予定の金融資産や不動産収入なども原則所得とみなされます。
また、保険やiDeCoなどの金融商品の受取方法によっても所得扱いや税計算が異なるため、将来の出口戦略が重要です。
老後安心して生活するためには、NISAやiDeCoを活用した資産運用や民間保険の加入など、早めに老後資金を準備することが大切です。




