筆者は元信用金庫職員ですが、偶数月の15日は、窓口やATMに年金を引き出しに来店されるお客様が多かったことを思い出します。
超高齢化社会により、年金制度の維持可能性についてはたびたび不安の声が上がっています。今後の先行き不透明感が続くなか、公的年金だけに頼ると、安心した老後生活を送ることができないかもしれません。
本記事では、現代シニアの厚生年金と国民年金の受給額を確認していきます。年金額の実態を早いうちから把握し、老後の計画に役立てましょう。
※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。
1. 日本の公的年金制度「国民年金・厚生年金」とは?
日本の公的年金制度は、土台となる「国民年金」と上乗せ部分の「厚生年金」による2階建ての構造をしています。
まずは、国民年金と厚生年金それぞれの特徴について見ていきましょう。
1.1 公的年金の1階部分「国民年金」
- 加入者:原則的に、日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人
- 保険料:一律(年度ごとに改定あり)※2024年度は月額1万6980円
- 支給額:保険料の納付期間に応じて金額が決まる※2024年度の満額は月額6万8000円
1.2 公的年金の2階部分「厚生年金」
- 加入者:主に会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入
- 保険料:毎月の給与や賞与などの報酬に応じた金額を支払う(上限あり)
- 支給額:加入期間や保険料の納付額に応じて計算され、国民年金に上乗せして支給される
日本の公的年金制度は「国民皆年金」といい、日本に居住する20歳以上60歳未満の全員が国民年金に加入することを基盤としています。さらに、会社員や公務員のなどの方は、国民年金に上乗せして厚生年金にも加入します。
国民年金と厚生年金の概要について把握したところで、実際どのくらいの年金が貰えるのか気になる方も多いことでしょう。
続いて、厚生労働省が公表する「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、それぞれの年金が月額いくら受け取れるのか確認していきましょう。