ファイナンシャルアドバイザーとしてお金の相談を受ける筆者ですが、将来に向けて相談される方の中には「年金には期待していないので老後の準備をしていきたい」という方がいます。

将来的に年金受給額が削減されるのではないかとも言われているので、老後生活を自力で生き抜こうとしている方々が徐々に増えているようです。

高齢化社会となる日本では長生きするリスクがあるため、資産運用などで早めの準備をしていきたいですね。

とはいえ年金は長い老後を生き抜くための、大切な公的制度です。永久的に持続してくれることに期待したいところです。

この公的年金、毎年届く「年金振込通知書」に記載された金額が振り込まれますが、今年10月から振込額が変わる人がいます。

そこで本記事では年金振込額が変わる理由と仕組みについて確認していきます。それをもとに振込額が変わる人の特徴について解説していきます。

1. 公的年金の振込額「10月」から変わることがあるのはなぜ?そのしくみをおさらい

公的年金の振込額が10月から変わる理由

考え込む男性の写真

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10月から年金の振込額が変わった?と不安になったことはあるでしょうか。

年金の振込額が変わることには理由があるのですが、主に関わっているのが、税金や社会保険料の天引き額の変更です。

ここでは、そのしくみについてわかりやすく解説していきます。

年金は現役時代のお給料と同じように「収入」として扱われます。具体的には、次のような項目が天引きされる対象になっています。

  • 税金: 所得税や復興特別所得税、個人住民税
  • 社会保険料: 介護保険料、後期高齢者医療保険料、または国民健康保険料

これらが年金から自動的に差し引かれるのです。

1.1 10月から振込額が変わる理由

では、どうして10月から振込額が変わるのでしょうか?ポイントは、「前年度の収入」です。

年金の天引き額は、年2回の期間に分かれて計算されます。具体的には、以下のような仕組みです。

  • 4月〜8月: 前々年の収入をもとに仮に計算した金額が天引きされる「仮徴収期間」
  • 10月〜翌年2月: 前年の収入に基づいて正式な税額や保険料が計算される「本徴収期間」

例えば、前年度の収入が前々年度より多かった場合、10月以降の天引き額が増えることがあります。そのため、振込額が少なくなることがあるんですね。

ただし、10月に必ずしも年金の振込額が変わるわけではありません。収入や控除額が前年と変わらなければ、天引き額も変わらず、振込額もそのままです。

振込額に変動があるかどうかは、収入の増減や控除の変化次第なんです。

では具体的に、どのような人が10月から年金の振込額が変わるのでしょうか。