3. 「年金生活者支援給付金」を申請する2つの方法
年金生活者支援給付金は「これから年金を受給する人」と「すでに年金を受け取っている人」で申請方法が異なります。
3.1 これから年金を受給する人
これから年金を受給する人は65歳になる3ヵ月前に、老齢基礎年金の請求書と併せて給付金請求書が入った封筒が送られてきます。
同封の給付金請求書に必要事項を記入して、老齢基礎年金の請求書とあわせて提出しましょう。
3.2 すでに年金を受け取っている人
すでに年金を受給している人が所得の減少によって対象になった場合、9月1日以降に「年金生活者支援給付金請求書」が送られてきます。
同封のはがき(給付金請求書)に必要事項を記入して、郵便ポストに投函すれば手続きが完了します。
一度手続きすると毎年手続きする必要はありませんが、要件を満たさなくなり給付が停止になった後に、再度要件を満たした場合は改めて申請が必要になります。
なお、繰上げ受給している場合は、書類の種類が異なりますので注意してください。
ここまで「年金生活者支援金」について解説してきました。
退職後は長いセカンドライフが始まりますが、できれば金銭的な不安を抱えながら生活するのは避けたいものです。
次章では、ファイナンシャルアドバイザーの視点から「老後生活に向けた資産形成」について、アドバイスをお送りしたいと思います。
4. まとめにかえて
高齢者世帯の生活状況を確認すると、多くの世帯が「生活が苦しい」と答えていることが分かりました。
近年の物価上昇などは高齢者世帯にとって大きな負担となっていることが確認できます。
年金生活者支援給付金などの支援制度はあるものの、それだけで生活が豊かになるわけではありません。今後、ゆとりある老後を実現するためには、早めの準備が重要です。
準備方法には主に「保障」と「運用」の2つがあります。保障は、老後までの間で急な出費に対応するための手段として役立ちます。自分に合った保険を選び、備えておくことが大切です。
運用では、NISAやiDeCoなどを活用し、少額からでも資産を積み立てて増やしていく方法があります。長期的に積み立てを続けることで、安定した資産運用が可能になります。
理想の老後生活を目指すためにも、早い段階から準備を始めることを心がけましょう。
参考資料
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
- 厚生労働省「令和4年度「厚生年金保険・国民年金事業の概況 」」
- 総務省統計局「2023年(令和5年) 家計の概要」
川勝 隆登