人生100年時代と言われる今日。
厚生労働省の資料によると、百歳以上の高齢者の数は、老人福祉法が制定された昭和38年には全国で153人でした
が、昭和56年に1000人を超え、平成10年に1万人を超えました。
平成24年に5万人を超え、今年は9万5119人(前年比+2980人)です。
長生きできる人が増えているのは喜ばしいことである一方で、老後のお金のことが心配な人もいるでしょう。
そこで今回は、退職後の70代の方々の平均貯蓄額について見ていきたいと思います。
老後の備えを考える際の参考にしてみてくださいね。
1. 【夫婦世帯】70歳代の平均貯蓄額はどのくらい?中央値もチェック
70歳代・二人以上世帯の貯蓄額がどれくらいなのか、さっそく見ていきましょう。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」を参考にします。
なお、これから確認する金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。
1.1 【70歳代・夫婦世帯の貯蓄額】平均値と中央値
- 平均:1757万円
- 中央値:700万円
70歳代の二人以上(夫婦)世帯の平均貯蓄額は、平均が1757万円、中央値は700万円となっています。
平均は極端に大きい数字があるとその値に偏る傾向にあります。そのため、中央値である700万円のほうがより実態に近い貯蓄額といえます。
続いて、70歳代・夫婦世帯の貯蓄割合を見ていきましょう。
1.2 【70歳代・夫婦世帯の貯蓄割合】貯蓄ゼロ世帯が約2割…
- 金融資産非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:4.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
金融資産非保有(貯蓄ゼロ)の世帯と、貯蓄3000万円以上の世帯、それぞれが全体の約2割を占めていることがわります。
「貯蓄が多い世帯」と「貯蓄が全くない世帯」の二極化している傾向が見て取れます。
70歳代の多くの世帯はすでに定年退職しています。現行の年金制度では、年金の受給開始年齢は原則として65歳からですが、年金だけでは十分な収入を得るのが難しい場合が多く、多くの世帯が貯蓄を切り崩して生活費を補っていると考えられます。
こう見てくると、貯蓄額は70歳代の生活水準に大きく影響するといえるでしょう。
では、一般的な70歳代夫婦世帯の年金収入や生活費はどれくらいなのでしょうか。