2024年10月18日、総務省が発表した「2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)9月分」によると、総合指数は、2020年を100として108.9。4年間で8.9%も物価が上昇していることが分かりました。

急速な物価上昇による家計への影響は甚大です。年金収入を中心に生活する高齢者世帯は、特に厳しい状況にあると想像できます。

本記事では、高齢者世帯の生活意識に触れ、老後生活を支える公的年金(国民年金・厚生年金)の受給額を確認していきます。低年金世帯を支える「年金生活者支援給付金」についても確認しておきましょう。

1. 前年よりも増加。「生活が苦しい」と感じる高齢者世帯は「59%」

厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯の59%が「生活が苦しい」と回答しています。

【写真1枚目/全9枚】生活が「大変苦しい」もしくは「やや苦しい」と答えた割合。次の写真で年金一覧表(60歳代~90歳代のリアルな年金額)を見る

「大変苦しい」もしくは「やや苦しい」と答えた割合グラフ

出所:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」

【全世帯での生活意識調査の結果一覧】

  • 大変苦しい:26.5%(前回20.2%)
  • やや苦しい:33.1%(前回31.0%)
  • 普通:35.8%(前回42.1%)
  • ややゆとりがある:3.9%(前回5.5%)
  • 大変ゆとりがある:0.7%(前回1.1%)

【高齢者世帯に限定した生活意識調査の結果一覧】

  • 大変苦しい:26.4%(前回18.1%)
  • やや苦しい:32.6%(前回30.2%)
  • 普通:36.7%(前回45.1%)
  • ややゆとりがある:3.9%(前回2.5%)
  • 大変ゆとりがある:0.4%(前回0.8%)

前年の同調査では「大変苦しい」と「やや苦しい」と感じている人の合計が48%であり、前年よりも10%以上も生活が困窮している世帯が増加したことがうかがえます。

物価や光熱費の高騰を懸念し、2024年度は年金が2.7%増額されましたが、それ以上に物価上昇が進んだため、実質的には年金の価値が減少している現状があります。

次章では、厚生年金や国民年金の実際の平均額について詳しく見ていきます。