3. 「繰上げ・繰下げ」を選択している人はどれくらいいるのか

年金は原則65歳から受け取りを開始しますが、受給開始時期を変えることも可能です。

受給開始時期を早めることを「繰上げ受給」、遅らせることを「繰下げ受給」といいます。

繰上げ受給を利用すれば最短60歳から年金の受け取りを開始でき、繰下げ受給を利用すれば最長75歳まで受給開始を遅らせることが可能です。

また、年金額は繰上げ受給を利用すると減額になり、繰下げ受給を利用すると増額になります。

では、この「繰下げ・繰下げ」を利用する人はどれくらいいるのでしょうか。

厚生労働省年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者のうち繰上げ受給の利用者割合は0.7%、繰下げ受給の利用者割合は1.3%です。

老齢厚生年金:繰上げ・繰下げ受給状況

老齢厚生年金:繰上げ・繰下げ受給状況

出所:厚生労働省年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」

繰上げ・繰下げを利用する人は、少数派であることがわかります。

4. 年金の受給開始年齢を考えよう

本記事では国民年金と厚生年金の平均月額を確認しましたが、年金受給額が少ない人は多くいます。

そのような人は、本記事で紹介した繰下げ受給を利用して受給額を増やすのも一つの選択肢です。

受給開始年齢を1年遅らせるごとに月額支給額は8.4%増えるため、ぜひ繰下げ受給の利用も検討してみてください。

参考資料

苛原 寛