2. FXのリスク

外国為替市場(サマータイムの日本時間)

外国為替市場(サマータイムの日本時間)

出所:一般社団法人金融先物取引業協会「取引時間について」をもとに筆者作成

FX取引は、平日ほぼ24時間取引が可能なほか、レバレッジを効かせて少ない資金で大きな利益を狙うことができるなど、さまざまなメリットがあります。

しかし一方で、為替レートの変動が大きいことから、短時間で予想外の損失を被る可能性があるなど、知っておかなければならないリスクもいくつか存在します。

そのため、これらをしっかりと理解せずに取引してしまった場合、思いがけない損失に見舞われる可能性があります。

2.1 数千円の投資で背負うリスク

FX取引において最も注意しなければならないリスクの一つにレバレッジがあります。

レバレッジとは、証拠金として預けた資金の何倍もの金額(最大25倍)の取引が可能な仕組みで、前述した通り、少ない資金で大きな利益を狙えることから、FX取引のメリットとしても考えられています。

しかし、誤った認識で利用してしまうと、大きなリスクを背負うことにもなりかねません。

例えば、1ドル100円として7000円の資金をレバレッジ10倍で運用していたとします。

この場合、7万円のトレードをしていることとなり、700通貨が手元にあることになりますが、もし後日、1ドル90円になってしまった場合、この700通貨は6万3000円の価値になってしまいます。

この時点で、7万円が6万3000円の価値まで下がってしまったことになるため、7000円の損失がある状態となります。

元々の運用資金は7000円です。▲7000円になってしまうこの状況においては、FX提供会社のシステムによってすべてのポジションが強制決済、つまりロスカットされてしまい、損失が確定してしまうというわけです。

なお、ロスカットの水準を考えた場合に2〜3倍のレバレッジであればロスカットは回避できたと言えるでしょう。

このように、レバレッジにはメリットもある一方で、一定のリスクもあるため、まずは低い倍率から始めるようにしましょう。