公的な保障について、どれくらいの人が具体的に知っているでしょうか?
私も普段、老後資金についての相談を受けることが多いのですが、意外と「よくわからない」とか「全然知らない」という声が多いものです。
今回ご紹介する「年金生活者支援給付金」も、その一例です。
これは2019年10月から始まった制度ですが、実は自動的にもらえるわけではなく、条件を満たしたうえで自分で申請しないといけません。
どんな制度なのか、しっかり確認しておきましょう。
1. 年金生活者支援給付金の要件とは?誰が受け取れるのか
「年金生活者支援給付金」は、生活が苦しいシニア世帯をサポートするために、公的年金に上乗せされる給付金です。
ただし、誰でももらえるわけではなく、いくつかの条件を満たす必要があります。
年金生活者支援給付金を受け取れるのは、「老齢基礎年金(国民年金)」「障害年金」「遺族年金」を受給している人のうち、一定の要件を満たした人となります。
まず、「老齢基礎年金」を受給している方が対象になるのは、以下の条件を全て満たしている場合です。
1.1 【老齢年金生活者支援給付金の要件】
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税である
- 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が87万8900円以下である
この条件を満たしていれば、年金生活者支援給付金を受け取れる可能性があるんですね。
一方で、障害年金や遺族年金を受け取っている場合も、次の条件をクリアすれば支援を受けることができます。
1.2 【障害・遺族年金生活者支援給付金の要件】
- 障害基礎年金もしくは遺族基礎年金の受給者である
- 前年の所得が472万1000円以下である
ただ、これらの条件に当てはまっていても、以下に該当する場合は給付金を受け取れないので注意が必要です。
- 日本国内に住所がない場合
- 年金が全額支給停止されている場合
- 刑事施設などに拘禁されている場合
給付金を受け取れるかどうかで迷ったら、最寄りの市町村窓口や年金事務所で相談してみるのがいいでしょう。
次は、どれくらいの金額がもらえるのか、具体的な給付額について詳しく見ていきます。