5. 社会保険加入のメリット

ここまで、扶養内に留まるための「壁」についての話が中心でしたが、壁を超えて、社会保険に加入した場合に得られるメリットもお伝えすべきでしょう。社会保険(健康保険、厚生年金保険)に加入すると、以下のメリットがあります。

  • 年金が増える(厚生年金が受給できる)
  • 障害年金・遺族年金が充実する
  • 傷病手当金・出産手当金が受け取れる

ただし、壁を少し超えたくらいの年収では、手取りが減るデメリットの方が大きく感じるでしょう。そのため、社会保険に加入したなら制限を設けずに働くのがベストです。それを求めないのであれば、扶養内に留まる選択となるのが現状のようです。

しかし、「バリバリ働く」か「ちょっと働く」の2択では、収入の格差が広がるばかりです。そこで、壁を超えて、徐々に労働時間を増やしていくようにすれば、いきなりフルタイムで働くよりは負担が少ないのではないでしょうか。

何より、収入が徐々に増えて家計が改善されていく過程は、扶養内で働き続けているケースでは得られない喜びです。壁を意識しない働き方によってキャリアアップが可能なことも大きなメリットとなるでしょう。

参考資料

石倉 博子