3. 年金に上乗せして支給される「年金生活者支援給付金」を解説
住民税非課税世帯への給付金とは別の施策として、年金生活者支援給付金があります。
年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準額以下の方に、生活の支援を図ることを目的として、年金に上乗せして支給されるものです。
対象となるのは「障害基礎年金」「老齢基礎年金」「遺族基礎年金」を受給していて支給要件を満たしている方です。
今回はその中から「老齢年金生活者支援給付金」について解説します。
3.1 給付金額と対象者
老齢年金生活者支援給付金について、給付金額は以下の通りです。
<給付金額>
- 保険料納付済期間に基づく額(月額)= 5310円 × 保険料納付済期間 / 被保険者月数480月
- 保険料免除期間に基づく額(月額)= 1万1333円 × 保険料免除期間 / 被保険者月数480月
年金生活者支援給付金は、収入が87万8900円以下の非課税世帯の人に対して支給されます。
支給要件は以下の通りです。
<支給要件>
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である。
- 世帯全員が市町村民税非課税である。
- 前年の年金収入金額とその他の所得の合計が87万8900円以下である※障害年金・遺族年金などの非課税収入を除く
※前年の年金収入金額とその他の所得の合計が77万8900円以下の場合、(1)老齢年金生活者支援給付金が支給され、77万8900円を超え87万8900円以下の場合には、(2)補足的老齢年金生活者支援給付金が支給されます。
たとえば昭和31年4月2日以後生まれの方で、納付済月数が240カ月、全額免除月数が60カ月の場合は月額4072円が支給され、年額にすると約5万円が年金に上乗せされます。
ただし上記のような基準額はあるものの、給付される金額は個人で異なります。支給対象となった場合、日本年金機構から書類(封筒)が送られてくるので、必要事項を記入して提出することで申請が完了します。