シリーズでお伝えしている「企業年収給与研究」。最新の有価証券報告書をもとに注目企業の従業員の年収・給与や従業員数を見ていきましょう。今回は日本を代表するICT企業の富士通です。

富士通の平均年間給与はいくらか

富士通(提出会社)の2018年3月31日時点での平均年間給与は790.0万円と700万円を超えています。また、従業員の平均年齢は43.3歳となっており40歳を上回っています。平均勤続年数は20.0年となっています。

富士通の従業員数は何人か

有価証券報告書の提出会社(単体)の従業員数は2018年3月31日時点で3万2969名。単体で3万人以上の従業員数がいます。単体のセグメント別の従業員数は以下の通りです。

  • テクノロジーソリューション:2万8551名
  • ユビキタスソリューション:604名
  • その他、全社共通:3814名

また、連結の従業員数は14万365名。単体で3万人を超えていますが、グローバルで連結となると、14万人を超えています。富士通は、日本のみならず欧州、米国などでも事業を展開しています。連結の主な事業セグメント別の従業員数は以下の通りです。

  • テクノロジーソリューション:11万2146名
  • ユビキタスソリューション:4722名
  • デバイスソリューション:1万5666名
  • その他、全社共通:7831名

2017年11月1日付けでカーナビゲーション(カーナビ)事業などを行っていた富士通テン(現デンソーテン)の株式をデンソーに譲渡しているため、対前年度末比で連結従業員数が1万4704名減少していいます。

連結の従業員数でみると、約14万人の従業員のうちほとんどがテクノロジーソリューション(テクソリ)に所属していることが分かります。その一方で、ユビキタスソリューションの従業員数の比率は低くなっています。人的リソースの面ではテクソリに絞り込まれている状況が見えてきます。

アマゾンやマイクロソフト、グーグルといった世界のICT企業がクラウドサービスを大規模にそして競争力のある価格で仕掛けてくる中で富士通がどのような戦略を展開するかに注目です。

まとめにかえて

年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。

ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。

【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について

平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人員です。

【ご参考】有価証券報告書とは

日本証券業協会によれば、有価証券報告書は「金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成する会社内容の開示資料です。株式を上場している会社は、各事業年度終了後、3か月以内に財務局長および上場証券取引所に有価証券報告書の提出が義務付けられています」とされています。

LIMO編集部