最新のLIMO大ヒット記事を見逃した方へ。編集部から、今知っておきたい「ヒットセレクション」をお届けします! (初公開日:2024年8月22日) |
近年の物価上昇により、家計の収支バランスが大きく崩れたという世帯は少なくないでしょう。ファイナンシャルアドバイザーである筆者は、お客様からご相談を受ける際に「生活の収支に余裕を持てない」という声を多く聞きます。
2024年は将来に向けた資産形成を後押しする制度である「NISA」の改訂が行われました。また、「iDeCo」では拠出限度額引き上げの検討が進められており、老後資金の準備に対する注目が高まっています。
「老後資金を準備するためにとりあえずNISAを始めてみた」という方も多くいますが、そもそも年金だけでの生活は難しいのでしょうか。
年金だけでは足りない場合、将来資金がどれくらい足りないのかを知ることで自分自身に運用が必要なのか、毎月どれくらい貯蓄に回すべきなのかが見えてきます。目標金額が分かれば計画的に資金準備に取り組めますね。
そこで今回は、年金制度や世代ごとにどれくらいの年金を受給しているのかを確認し、老後の資金準備がどれくらい必要なのかチェックしていきましょう。
記事の最後では、一定の要件を満たす年金生活者が受給できる「年金生活者支援給付金」についても解説します。対象者には、年額約6万円(保険料納付状況により異なる)の給付金が支給されますので、支給要件や支給基準額、申請方法などを確認しておきましょう。
1. 日本の公的年金制度は「国民年金・厚生年金」の2階建て
最初に、簡単に日本の公的年金制度についてしくみを確認しておきましょう。
日本の公的年金は「国民年金(基礎年金)」「厚生年金」による2階建て構造となります。
1.1 1階部分:国民年金
- 日本に住む20歳から60歳までのすべての人が原則として加入
- 保険料は全員一律(年度ごとに見直し)
- 全期間(40年間)保険料を納付した場合に満額が支給される
1.2 2階部分:厚生年金
- 会社員や公務員、パート・アルバイト従業員など特定適用事業所に働き一定要件を満たした方が国民年金に上乗せで加入
- 保険料は収入に応じて(上限あり)算出され企業と折半して負担
- 加入期間や納めた保険料により年金額が決定する
上記の通り、現役時代の過ごし方・働き方で老後に受給できる年金の種類や年金額が決定することを理解しておきましょう。
では、現代のシニア世代は月額どれくらいの年金を受給しているのか。次章で確認いしていきます。