10月は年金支給月です。受給対象者には10月15日(火)に年金が支給されます。
厚生労働省の「2023(令和5)年国民生活基礎調査の概要」によると、高齢者世帯の58.3%が「年金だけで生活できない」状況であることがわかりました。
近年はリタイア後も働く高齢者が増えていますが、現実問題として退職や健康寿命などの理由から、年齢を重ねるほど働き続けることが難しくなる傾向にあります。
詳しくは後述しますが、こうした現状を踏まえ、現役世代の人たちは老後に向けて「公的年金に頼り過ぎない生活設計」を進めているようです。
将来、全面的に公的年金に頼る生活は難しいと考えられますが、国民年金や厚生年金は終身で受給できる大切な収入源であることに変わりはありません。
現在の年金事情を把握した上で、老後に向けてやるべきことを考えていくとよいでしょう。
本記事では、厚生労働省による「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、国民年金と厚生年金(国民年金を含む)の「年齢別の平均月額」ついてわかりやすく解説します。
また、日本人の平均余命や定年年齢などをもとに、「公的年金のみで生活するのは厳しい現実」についてもご紹介しますので、老後の資金準備や生活方法の見直しにご活用ください。
1. 年代別|老後の生活設計で公的年金に頼る割合
【写真13枚】1枚目/年代別|老後の生活設計で公的年金に頼る割合、2枚目/年齢別|平均余命をチェック!
内閣府の「生活設計と年金に関する世論調査(令和5年11月調査)」によると、年齢を重ねるほど、老後の生活設計で「全面的に公的年金に頼る」割合が増加しています。
具体的には、50歳代は24.7%、60歳代は28.5%、70歳以上では43.2%の方が、老後の生活設計で「全面的に公的年金に頼る」としています。
しかし現実問題として、少子高齢化や物価高などの影響もあるため、公的年金のみで生活するのは難しいでしょう。
現役世代の人たちの多くは、公的年金だけに頼ることなく「個人年金や貯蓄などで老後に備えている」のが現状です。
1.1 公的年金を中心に、個人年金や貯蓄などを組み合わせた老後の生活設計を行う割合
- 30歳代:54.7%
- 40歳代:60.3%
- 50歳代:58.4%
将来、全面的に公的年金に頼って生活することは厳しい傾向にありますが、国民年金や厚生年金は「終身で受給できる」メリットがあります。
定年を迎えたり健康寿命などの影響で、現役世代ほどの収入が得られなくなったりした際の、大切な収入源となるでしょう。
「年金を受給する老後の生活はどのくらい続く」のか、次章で【各年齢の平均余命】を見ていきます。