日本年金機構より「新たに年金生活者支援給付金を受け取ることができる方」へ向けて、9月の第1営業日から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次送付されています。
年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、老齢年金・遺族年金・障害年金のいずれかを受給しており、収入や所得が一定基準以下となった方です。
筆者はファイナンシャルアドバイザーやファイナンシャルプランナーとして、日々お客様から資産にまつわるご相談を受けていますが、年金や老後生活について悩んでいる人が多いと感じています。
そこで今回は、世帯別の生活意識や「年金生活者支援給付金」の詳細、60歳代~80歳代における公的年金の平均受給月額について確認していきます。
現役世代の方は、将来の老後生活に向けた準備を進めていく際の参考にしてみてください。
1. 生活が苦しい世帯は59.6%!前年から増加
厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、「生活が大変苦しい」「生活がやや苦しい」と回答した世帯の合計は59.6%となっています。
上記のグラフを見ると、前年と比べ「生活が大変苦しい」「生活がやや苦しい」と回答した世帯の合計が、8.4%増加しています。
物価上昇が続いており、生活費の負担が増しているというご家庭も多いのではないでしょうか。なお、同調査を高齢者世帯に絞ってみると、こちらも59%が「苦しい」と回答。年金生活が厳しい様子がうかがえます。
次章では、生活の支援を図ることを目的に、対象の年金受給者へ向けて支給される「年金生活者支援給付金」について解説していきます。
2. 「年金生活者支援給付金の請求書」9月2日から順次送付。対象者・申請方法は?
ここからは、年金生活者支援給付金制度や、老齢年金年金生活者支援給付金について見ていきます。
年金生活者支援給付金制度は、消費税率が8%から10%に引上げとなった2019年10月1日から施行されています。
消費税率の引き上げ分を活用して、生活の支援を図ることを目的に、対象者へ向けて「年金生活者支援給付金」が支給されます。
年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、老齢年金・遺族年金・障害年金のいずれかを受給しており、収入や所得が一定基準以下となった方です。
ここからは「老齢年金生活者支援給付金」の対象者について、わかりやすく解説していきます。
2.1 老齢年金生活者支援給付金の対象者
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額※1とその他の所得との合計額が87万8900円以下※2
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 77万8900円超87万8900円以下は「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給
老齢年金年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、上記の支給要件をすべて満たしている方です。
では次に、2024年度に支給される「老齢年金生活者支援給付金」の、給付額の目安を確認しましょう。