「中間管理職は大変そう」という印象を持っている方もいるのではないでしょうか。
一般的に役職に就くと収入が上がりますが、その分業務負担が重くなり生活に悪影響が出てしまう可能性があります。
今回は、中間管理職の中でもストレスを感じやすい役職や、具体的な収入のデータなどを最新アンケートを用いて解説します。
1. 最もストレスがかかる役職は「課長」
株式会社マイナビが全国1万4000人の社会人を対象に行った調査によると、仕事上で最もストレスを感じている役職は「課長級」でした(2024年7月18日公表)。
- 課長級:54.5%
- 非管理職(主任級以下):51.6%
- 部長級:49.7%
「職場で自分の意見は取り入れられている」や「職場の人間関係に満足感があった」「職場に自分が成長するように励ましてくれる人がいる」という問いに対して「あてはまる」「ややあてはまる」と回答したポイント数は、部長級と比べて10ポイント以上低い結果となっています。
課長級になると、職場内での発言力の低さや裁量の狭さに不満を抱えつつ、人間関係でも悩みやすい様子が見て取れます。
次の章では、職場において頭を悩ませる課題や悩み事について深堀りしていきましょう。
2. 人間関係、昇進…中間管理職が抱える「悩み事」とは
日本GHCDコーチング協会が行ったアンケートによると「職場で最も頭の痛いことやご自身の課題、悩み事は何ですか?」という問いに対する回答は以下のようになっています。
- 人間関係(上司、同僚、部下、取引先、顧客対応、そのほか):28%
- チームマネジメント、状態:19%
- 自分自身のマネジメント、メンタルも含めた健康状態:15%
- チームの業績、成果:12%
職場で最も頭の痛いことや自身の課題、悩み事3/4
人間関係に関する懸念を抱えている人が最も多く、チームマネジメントや部下のフォローに関する悩みを抱えている人が多いことがわかります。
株式会社マイナビの調査では、年代が上がるほど昇進意欲は減少傾向にあり、男性40歳代・女性30歳代の層では「昇進したくない」割合が「昇進したい」を上回る結果となりました。
普段の業務を通じて課長が苦労している様子を見て、「あのポジションはきつそう」という印象を持っているのかもしれません。
しかし、役職に就けば役職手当が支給される企業も少なくないと考えられます。
次の章で、給与に関する詳しい数値をみていきましょう。
3. 役職ごとの平均賃金
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」を参考に役職ごとの平均賃金を紹介します。
- 部長級:59万6000円(男性60万4100円・女性52万1000円)
- 課長級:49万800円(男性50万700円・女性43万800円)
- 係長級:37万800円(男性38万2300円・女性33万5900円)
- 非役職者:29万1100円(男性31万1900円・女性26万300円)
階級が一つ上がるごとに、平均賃金は約10万円増えるようなイメージです。
課長級の平均賃金は約50万円で、年収に換算すると約600万円となります。
しかし、先述したようにアンケート調査によると最もストレスがかかる役職は「課長級」でした。
収入が増えるメリットと、業務量が増えたり人間関係で苦労したりするデメリットを天秤にかけて、自分にとってよりよい選択をする必要があります。
年次主義の勤務先で働いている場合、本人が望んでいなくても課長級の役職に就くことがあります。
次の章では、その際の対処法について解説していきます。
4. 望まずに管理職になってしまったときは
自分からは望まず、管理職になってしまったときはどのように対処すべきでしょうか。
4.1 自分の成長につながると肯定的にとらえる
課長というマネジメント能力が求められる役職に就いて、不安を感じるのは自然なことです。
しかし、自己成長の機会として捉えれば、前向きな姿勢で臨める可能性があります。
たとえば、部下のマネジメントを通じてコミュニケーション能力やチーム運営のスキル、リーダーシップのスキルが鍛えられます。
負担が重くなるのは確かですが、自分のスキルを高めて人材価値を向上できれば、キャリアアップの可能性も広がるでしょう。
4.2 信頼できる人に相談する
上司や先輩社員に信頼できる人がいれば、相談することで気が楽になる可能性があります。
直属の上司ではなく、違う部署の部長や上司であれば、比較的気軽に相談できるのこともあるのではないでしょうか。
管理職経験がある人に相談することで、実践的なアドバイスや失敗から学んだ教訓を得られるかもしれません。
4.3 荷が重いと感じたら早めに相談する
役職の負担が重いと感じたら、早めに上司や人事部門の担当者に相談しましょう。
一人で悩みやストレスを抱え込むと、精神的に消耗してしまう可能性があります。
問題が大きくなる前に対処すれば、勤務先も組織体制を維持しやすいでしょう。
必要に応じて、配置転換の希望を伝えてみてください。
5. まとめにかえて
中間管理職の中でも、課長級の役職はよりストレスを感じやすいようです。
業務負担が重くなるだけでなくマネジメント力が求められ、人間関係で悩む機会も増える傾向にあります。
一般的に役職が上がるほど収入も上昇しますが、自分のキャリアを考えるうえでは収入だけでなく自分の適性やストレス耐性などを考えることが重要です。
参考資料
- 株式会社マイナビ「ライフキャリア実態調査 2024年版(働き方・キャリア編)」
- 株式会社みらい創世舎「中間管理職約312名を対象に「職場の悩みアンケート」実施 中間管理職が抱える深い悩み 2022年春以降出社復活してもコミュニケーションが困難 中間管理職の約5割が“他者との関係性”に最も頭を痛める」
- 厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
柴田 充輝