2024年6月21日、岸田首相は秋ころに年金生活世帯や低所得世帯を対象に物価高対策として給付金を検討していると発言しました。本記事の執筆時点(9月5日)で、詳細はまだ発表されていません。
なお、こうした一時的な給付金とは別に、年金生活者を対象とした「年金生活者支援給付金」という制度が設けられています。
国民年金や厚生年金など、公的年金だけで生活していくことが難しい場合、一定の条件に該当すれば「年金生活者支援給付金」を年金に上乗せして受給できる制度です。
公的年金受給額は2年連続で増額されていますが、長引く物価高により生活が困窮している年金世帯も多いでしょう。年金生活者支援給付金は、月額約5000円が支給されるため、生活費の補填などに活用できることが期待されます。
しかし、受給するには一定の要件を満たしていることが必要です。本記事で、年金生活者支援給付金制度について詳しく確認していきましょう。
1. 年金生活者支援給付金とは
年金生活者支援給付金制度とは、消費税が10%に引き上げられた分を活用し、年金収入などが一定額以下の方の支援を行うために、公的年金に上乗せして支給される給付金です。
年金生活者支援給付金は、受給している年金の種類により以下の3つに分かれ、それぞれ支給要件や支給額が異なります。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
支給判定は、前年の所得に基づいて1年ごとに行われ、判定の結果は10月分から翌年9月分まで反映されます。
なお、年金生活者支援給付金は、受給者ごとに受給要件に該当するかが判断されるため、夫婦共に要件を満たす場合、2人とも受給できます。
それぞれの種類について、支給要件や支給額を確認していきましょう。