3. 2025年以降に予定されている改正とは?
2025年以降は、51人以上の企業規模を撤廃する案も出ています。
年収106万円を超えた人は、企業の規模に関係なく社会保険に加入する必要が出る可能性もあるのです。
そうなれば、2024年10月以降も扶養に入れる「年収106万円以上130万円未満で、勤め先の従業員数が50人以下」の人も、2025年から扶養から外れることとなります。
つまり、2025年以降に配偶者の扶養に入れる人は「年収106万円未満」のみとなります。
改正時期や具体案は、2024年末までにまとめられる予定とのことで、今後の動向に注目が集まります。
4. まとめにかえて
政府は、年収の壁による手取り収入の減少を防ぐために「年収の壁・支援強化パッケージ」を実施しています。
ただし、パッケージは2年だけの限定的な支援となっているため、その後も継続して支援が実施されるかは不明です。
労働時間を調整して扶養内にとどまろうとするアルバイトやパートタイマーも一定数いるため、労働力不足などの問題点も生じています。
2024年10月に加えて、2025年も予定されている社会保険の適用要件の緩和が、パートタイマーにどのような影響を与えるか、引き続き注目が集まります。
参考資料
- 厚生労働省「社会保険適用拡大ガイドブック」
- 野村総合研究所「年収の壁による働き損の解消をー有配偶パート女性における就労の実態と意向に関する調査よりー」
- 厚生労働省「第17回社会保障審議会年金部会(議事録)」
川辺 拓也