老後の大きな収入源は「公的年金」となりますが、ご自身の将来受け取る年金額をご存知でしょうか。

厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均月額は「5万6316円」、厚生年金の平均月額は「14万3973円」となっており、多くの人の場合は現役時よりも収入が低くなることが予想されます。

日本では2019年から、年金収入が一定のラインに満たない場合に、給付金支援が受けられる「年金生活者支援給付金」という制度が開始されました。

年金生活者支援給付金の要件を満たしている世帯の場合、「年金生活者支援給付金請求書」が毎年9月1日から順次送付されます。

本記事では、「年金生活者支援給付金」の要件や給付額について詳しく紹介していきます。

年金生活者支援給付金請求書の申請方法についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。

1. 年金生活者支援給付金の要件は?

年金生活者支援給付金は、公的年金やその他の所得が低く、生活が苦しいシニア世帯に対して、生活支援を目的に年金に上乗せされる給付金を指します。

年金生活者支援給付金を受け取れるのは、「老齢基礎年金(国民年金)」「障害年金」「遺族年金」を受給している人のうち、一定の要件を満たした人となります。

【写真全5枚中1枚目】生活者支援給付金の要件(老齢年金・障害年金・遺族年金)、2枚目以降で年金生活者支援給付金の「給付基準額」や手続きフローをチェックする

年金生活者支援給付金の要件

出所:厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」

老齢基礎年金(国民年金)を受給している人の場合は、下記の要件全てを満たしていれば「年金生活者支援給付金」を受け取ることができます。

1.1 【老齢年金生活者支援給付金の要件】

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税である
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が87万8900円以下である

障害年金もしくは遺族年金を受給している人の場合は、下記の要件全てを満たしていれば、「障害年金生活者支援給付金」もしくは「遺族年金生活者支援給付金」を受け取れます。

1.2 【障害・遺族年金生活者支援給付金の要件】

  • 障害基礎年金もしくは遺族基礎年金の受給者である
  • 前年の所得が472万1000円以下である

留意点として、下記に該当した場合は、各給付金の要件を満たしていても支給対象外となります。

  • 日本国内に住所がないとき
  • 年金が全額支給停止のとき
  • 刑事施設等に拘禁されているとき

ご自身が年金生活者支援給付金の対象であるかどうか、より詳しく知りたい方は、お近くの市町村窓口または年金事務所で確認することをおすすめします。

次章では、年金生活者支援給付金の給付額について確認していきましょう。