厚生労働省が発表した「令和5年 簡易生命表」によると、男性の平均寿命は81.09年、女性の 平均寿命は87.14年となり、前年と比較して男は0.04年、女は0.05年上回っています。
日本は世界的にも長寿国であり、平均寿命が年々延びています。平均寿命が延びることにより、介護が必要な人も増えています。
介護保険料の上昇や、介護サービスを提供する人材の不足から人件費が増加しており、介護にかかる費用も増加しています。
今回は日本の公的年金制度についておさらいしながら、老齢年金の平均受給額と天引きされるお金について、どれくらい受給できるのか解説します。
1. 日本の公的年金制度
はじめに、日本の公的年金制度についておさらいしておきましょう。
1.1 国民年金(老齢基礎年金)
- 日本に住む20歳以上60歳未満の人が原則として加入
- 保険料は一律
- 40年間保険料を支払うことで満額の年金を受給できる
1.2 厚生年金(老齢厚生年金)
- 国民年金に上乗せして加入
- 現役時代の所得などに応じて保険料が異なり、加入期間や支払った保険料によって受け取れる年金額が変わる
厚生年金は主に会社員や公務員が加入し、給与に応じた保険料を支払い、将来の年金額が高くなる傾向があります。また、雇用主と従業員が保険料を分担します。
一方、国民年金は自営業者や学生、フリーランスなどが対象で、保険料は一律です。受給額は厚生年金に比べて少ない場合が多いですが、40年間未納なく保険料を支払った場合、全員が共通の基礎年金を受け取る仕組みです。どちらも老後の生活を支えるための重要な制度です。
次章では老齢年金の平均受給額(額面)を確認していきましょう。