3.1 社会保険関係の年収の壁とは
なお、社会保険関係の年収の壁は「106万円の壁」と「130万円の壁」の2種類です。
- 106万円の壁:特定適用事業所に勤務している方が106万円以上の給与収入を得ると社会保険に加入する
- 130万円の壁:130万円以上の給与収入を得ると家族の扶養から抜ける
年収の壁を超えると社会保険料負担が発生し、手取り収入が減少する可能性があります。
2024年10月からは社会保険の適用拡大も控えており、106万円の壁の対象となる特定適用事業所が、「被保険者数51人以上の企業等」に広がります。
これにより、新たな年収の壁が発生する方も増えるでしょう。
最低賃金の改定に伴って収入が増えた結果、手取り額が減ってしまう事態が起こり得ます。
現在年収の壁に収まるように就業している方は、家族と相談しながら今後の働き方を考える必要があるでしょう。
4. まとめにかえて
最低賃金が上昇すると、労働者の収入が増えるメリットがあります。
収入が増えることで、家計に余裕が生まれ経済全体にもよい影響がもたらされるでしょう。
しかし、年収の壁を超えないように就業しており、今後も扶養の範囲内で働く希望を持っている方は注意が必要です。
年収の壁を超えて社会保険料負担が新たに発生すると、手取り額が減少してしまいます。
10月以降に賃金が上昇する見込みがある方は、自分にどのような影響があるのか考えてみてください。
参考資料
- 厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧(過去5年分)」
- 厚生労働省「令和6年度 地域別最低賃金 答申状況」
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構「図3 最低賃金」
- 厚生労働省「令和6年度地域別最低賃金額改定の目安について」
- 厚生労働省「ランク別加重平均時間額と引上率の推移」
- 厚生労働省「最低賃金のチェック方法は?」
- 厚生労働省「対象となる賃金は?」
- 厚生労働省「適用される対象者は?」
- 政府広報オンライン「「年収の壁」対策がスタート!パートやアルバイトはどうなる?」
- 厚生労働省「最低賃金制度の現状」
柴田 充輝