人生100年時代と言われるようになり、老後資金に対する関心が高まっています。

年金だけでは不安で、老後の収入を増やすために定年後も仕事を継続しようと考える人もいるでしょう。

本記事では、2024年8月2日に公表された政府の資料より、老後資金の現状と定年後の就業状況について解説します。

仕事を続けると年金が減ってしまう「在職老齢年金」の仕組みも紹介しますので、老後の働き方や年金の受け取り方を検討するときの参考にしてください。

1. 老後の資産状況

老後破綻などが話題となっていますが、現在の高齢者の資産状況はどうなっているのでしょうか。

年齢別の資産の推移を見ていきましょう。

1.1 老後の保有資産は65歳以降もあまり減らない

内閣府の調査によると、年代別の資産は60~64歳まで増加しています。

65歳以降は老後生活に入り資産を取り崩すため保有資産は年々減少していきます。

しかし、世帯別の資産保有状況を見ると、資産の減少幅は一般的に想定されるよりも少ないのが現状です。

  • 60~64歳:平均額1800万円
  • 85歳以上:平均額1500万円

【写真1枚目/全3枚】世帯別の資産保有状況、次の写真で高齢者の就業率を見る

世帯別の資産保有状況

出所:内閣府「令和6年度 年次経済財政報告(第3章 ストックの力で豊かさを感じられる経済社会へ)」