1.2 老後も保有資産があまり減らない理由
前述の内閣府調査によると、65歳以降も保有資産があまり減らない理由は、多くの人が老後生活に不安を感じて資産を取り崩さないことです。
人生100年時代と言われるようになり、長生きして老後資金がなくなることを心配する人が増えています。
また、老後の収入を増やすために定年後も働き続ける人が増えていることも理由の1つです。
高齢者の就業率が上昇して、保有資産を取り崩す必要のない人も増えています。
2. 高齢者の就業状況
内閣府の「令和6年版高齢社会白書」によると、定年後も働く高齢者は年々増え、2023年度には60~64歳の人の就業率は52%となりました。
政府も高年齢者雇用安定法を改正し、2021年4月より「70歳までの就業機会の確保」を企業の努力義務としています。
ここまで、老後生活に不安を感じる高齢者の保有資産の状況や就業状況について解説してきました。
次章では、定年後も働き続けるときに注意したい「在職老齢年金」について解説します。