2024年7月3日、厚生労働省は年金財政検証の結果を公表しました。5年に1度行われる「公的年金の健康診断」の結果を受け、来年に実施される年金改正で年金制度がどう変化するのか注目を集めています。
現行の年金制度では老齢年金の受給開始年齢は原則として65歳となりますが、受給開始年齢の「繰上げ」や「繰下げ」を選ぶことも可能です。
繰上げ・繰下げを選択することによって損をしないものか、と気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では繰上げ・繰下げを選んだ場合に、通常の受給と比較した損益分岐点をシミュレーションして解説します。
1. 年金の繰上げ・繰下げ受給についておさらい
老齢年金は原則、65歳からの受け取りとなりますが、前倒しで受け取る「繰上げ」、後ろ倒しにする「繰下げ」を選ぶことも可能です。
繰上げ受給は早めに年金を受け取るメリットがありますが、1ヶ月繰上げるごとに年金額が0.4%減額されます。
繰り下げ受給は年金を受け取る時期が遅くなる一方、1ヶ月繰り下げるごとに年金額が0.7%増額される点がメリットです。