年金を受給している方は、毎年6月に「年金振込通知書」が届いていると思います。
年金振込通知書には、天引きされているや税金や社会保険料、実際の手取り額などが記載されています。
しかし、「天引きされているのがどういうお金なのかわからない」「年金振込通知書のどこを見れば良いのかわからない」といった方もいるのではないでしょうか。
中には年度途中で天引き額が変わることにより、「年金振込通知書」が改めて届くこともあります。
今回は、年金から天引きされる5つのお金について解説するとともに、年金振込通知書のどこをチェックすれば良いのかを解説します。
1. 年金から天引きされる5つのお金
年金から天引きされるのは、以下の5つの税金と社会保険料です。
- 所得税・復興特別所得税
- 住民税
- 介護保険料
- 国民健康保険料
- 後期高齢者医療保険料
1.1 年金から天引きされる所得税・復興特別所得税
所得税および復興所得税は、年金収入が一定額以上の場合に課税されます。一般的に、年金から所得税が引かれるのは、以下のような方です。
- 65歳未満の方:年間108万円以上
- 65歳以上の方:年間158万円以上
ただし、非課税で受け取れる年金額は、各種控除の適用によって異なります。
1.2 年金から天引きされる住民税
住民税は、お住まいの地域の自治体に納める税金です。
住民税は「均等割」と「所得割」の2つに分けられ、それぞれを合計した金額が徴収されます。
具体的には、均等割が一律5000円(道府県民税1000円、市町村民税3000円、森林環境税1000円)、所得割は年収から各種控除を差し引いた「課税所得金額」に対して10%が課されます。
※実際の課税では、これらの基準を踏まえ都道府県や市町村が自らの判断で税率を定め、決定されます。
1.3 年金から天引きされる介護保険料
介護保険料は、介護保険制度の運営にかかる費用を賄うために徴収される費用です。
年金受給者の場合は、65歳以上かつ年間の年金受給額が18万円以上の方となります。
なお、介護保険料の金額は、自治体によって異なります。
1.4 年金から天引きされる国民健康保険料
年金から国民健康保険料が差し引かれるのは、以下の要件に該当する方です。
- 65歳以上75歳未満(後期高齢者医療制度の該当者を除く)
- 年間の受給額が18万円以上
- 国民健康保険料と介護保険料の合計額が、各支払期に支払われる特別徴収対象年金額の2分の1以下
なお、国民健康保険料は世帯単位で計算されます。
1.5 年金から天引きされる後期高齢者医療保険料
後期高齢者医療保険料を差し引かれるのは、以下の要件に該当する方です。
- 75歳以上の方もしくは65歳以上75歳未満で後期高齢者医療制度に該当する方
- 年間の受給額が18万円以上
- 後期高齢者医療保険料と介護保険料の合計額が、各支払期に支払われる特別徴収対象年金額の2分の1以下
なお、国民健康保険料とは異なり、後期高齢者医療保険料は被保険者ごとに計算されます。
2. 年金振込通知書のここをチェック!
「年金振込通知書」は、毎年6月に金融機関等の口座振込で年金を受け取られている方に対して、6月から翌年4月(2カ月に1回)まで毎回支払われる金額をお知らせするものです。
年金振込通知書が届いたら、天引きされている金額はいくらなのか、手取り額はいくらなのかを確認しましょう。
日本年金機構によると、記載内容は以下のとおりです。
2.1 (1)年金支払額
1回に支払われる年金額(控除前)のことです。
2.2 (2)介護保険料額
年金から特別徴収(天引き)される介護保険料額のことです。
2.3 (3)後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)
年金から特別徴収(天引き)される後期高齢者医療保険料または国民健康保険料(税)のことです。
なお、本項目は、後期高齢者医療保険料または国民健康保険料(税)が特別徴収(天引き)されるときに表示されます。
2.4 (4)所得税額および復興特別所得税額(※2)
年金支払額から社会保険料と各種控除額(扶養控除や障害者控除など)を差し引いた後の額に5.105%の税率を掛けた額のことです。(社会保険料とは、特別徴収された介護保険料と、後期高齢者医療保険料または国民健康保険料(税)の合計額です。)
2.5 (5)個人住民税額(※2)
年金から特別徴収(天引き)される個人住民税のことです。
2.6 (6)控除後振込額
年金額から特別徴収(天引き)される社会保険料、所得税額および復興特別所得税額、個人住民税額を差し引いた後の振込金額のことです。
2.7 (7)振込先
年金が振り込まれる金融機関の支店名が表示されます。支店には、支店のほか支所、営業所、出張所等が含まれます。
(※1)8月以降の額は、予定額として6月の額を記載しています。決定額は、市区町村から送付される通知書でご確認ください。
(※2)令和6年中、所得税および個人住民税の定額による特別控除(定額減税)が実施されます。令和6年6月~令和7年1月に支払われる老齢年金から源泉徴収される所得税は、定額減税された後の金額が表示されます。また、令和6年10月~令和7年2月に老齢年金から特別徴収される個人住民税は、定額減税された後の金額が表示されます。詳しくは、「公的年金から源泉徴収される所得税等の定額減税」をご覧ください。
(引用元:日本年金機構「年金振込通知書」)
(2)~(5)までが天引きされているお金、(6)が手取り額です。
なお、年金から天引きされる税金や保険料は、前年の所得に応じて金額が増減します。また、社会情勢などによって年金額が増減するケースもあります。
3. まとめにかえて
年金から天引きされている税金や社会保険料は5つあり、それぞれ年金振込通知書に明記されています。
何がどのくらい引かれているのかを確認しておくと良いでしょう。
また、各税金や社会保険料は、人によって差し引かれる金額が異なります。
前年の所得や控除の適用状況などによって金額が増減することもあるので、手取り額が大きく変わっていないかなども確認しておきましょう。
【編集部よりご参考】
記事内にて厚生年金と国民年金から天引きされるお金をご紹介しました。
実際の受給額は、額面ベースでも個人差が大きいのが特徴です。参考までに、受給額ごとの人数もご紹介します。
厚生年金受給額
- 全体:14万3973円
- 男性:16万3875円
- 女性:10万4878円
- 1万円未満:6万1358人
- 1万円以上~2万円未満:1万5728人
- 2万円以上~3万円未満:5万4921人
- 3万円以上~4万円未満:9万5172人
- 4万円以上~5万円未満:10万2402人
- 5万円以上~6万円未満:15万2773人
- 6万円以上~7万円未満:41万1749人
- 7万円以上~8万円未満:68万7473人
- 8万円以上~9万円未満:92万8511人
- 9万円以上~10万円未満:112万3972人
- 10万円以上~11万円未満:112万7493人
- 11万円以上~12万円未満:103万4254人
- 12万円以上~13万円未満:94万5662人
- 13万円以上~14万円未満:92万5503人
- 14万円以上~15万円未満:95万3156人
- 15万円以上~16万円未満:99万4044人
- 16万円以上~17万円未満:104万730人
- 17万円以上~18万円未満:105万8410人
- 18万円以上~19万円未満:101万554人
- 19万円以上~20万円未満:90万9998人
- 20万円以上~21万円未満:75万9086人
- 21万円以上~22万円未満:56万9206人
- 22万円以上~23万円未満:38万3582人
- 23万円以上~24万円未満:25万3529人
- 24万円以上~25万円未満:16万6281人
- 25万円以上~26万円未満:10万2291人
- 26万円以上~27万円未満:5万9766人
- 27万円以上~28万円未満:3万3463人
- 28万円以上~29万円未満:1万5793人
- 29万円以上~30万円未満:7351人
- 30万円以上~:1万2490人
国民年金受給額
- 全体:5万6316円
- 男性:5万8798円
- 女性:5万4426円
- 1万円未満:6万5660人
- 1万円以上~2万円未満:27万4330人
- 2万円以上~3万円未満:88万1065人
- 3万円以上~4万円未満:266万1520人
- 4万円以上~5万円未満:465万5774人
- 5万円以上~6万円未満:824万6178人
- 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
- 7万円以上~:178万3609人
参考資料
加藤 聖人