子どもが高校生や大学生になると、アルバイトを始めるケースがあります。
働くことは、子どもにとって社会勉強になるため大変有益ですが、親としては子どもの収入について注意するポイントがあります。
扶養家族となっている子どもに収入が発生すると、扶養控除や親が支払っている子どもの健康保険料には、どのような影響があるのでしょうか。
今回は、子どものアルバイトで注意しておきたいポイントを確認していきましょう。
1. そもそも「扶養控除」の金額ってどう定められているの?
そもそも「扶養控除」とは、子どもなどを養っている場合に納税者である親が受けられる所得控除です。
子どもの年齢によって、控除額が決まります。
1.1 子どもの年齢と控除額
- その年12月31日現在の年齢が16歳以上30歳未満の場合(一般の控除対象扶養親族):38万円
- 控除対象扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の場合(特定扶養親族):63万円
子どもを扶養家族として、所得控除を受けたい場合、子どもの給与収入が103万円以下である必要があります。
もしも子どもがアルバイトをして、給与が103万円を超えると、親は所得控除を受けることができなくなるので注意が必要です。
次は、子どもの健康保険料の、現状のボーダーラインはいくらかを解説していきます。
2. 子どもの「健康保険料」、現状ボーダーラインはいくら?
次に、子どもの健康保険料について見ていきましょう。
子どもは親の扶養に入っている間、自分で健康保険料を支払う必要はありません。
しかし、子どもがアルバイトをして、年収が130万円を超えると、親の健康保険から外れなければなりません。
子どもは、自分で、アルバイト先の健康保険に加入するか、国民健康保険に加入する必要があります。
子ども自身が健康保険料を負担しなければならなくなるので、子供自身の手取り金額が減ります。
子どもがアルバイトに励んでいる場合、年収が130万円を超えると手取り額が減る「年収の壁」について、子ども自身が認識しているかチェックしておきましょう。
3. 子どもが20歳以上の場合は年金保険料にも注意
さらに、年金保険料についてもチェックしていきます。
日本国民は、20歳以上になると、国民年金に加入しなければなりません。
そして、年金保険料を支払う必要があります。
高校や専門学校などの卒業後に、すでに働き始めている場合は、20歳になると年金保険料を納めます。
一方、20歳時にまだ大学生などで収入がない場合には、国民年金保険料の支払いを免除してくれる「学生納付特例制度」というものがあります。
在学中に申請することにより、在学中の保険料の納付が猶予されるものです。
しかし、アルバイトをしている20歳以上の人は、注意が必要です。
「学生納付特例制度」の適用を受けるためには、特例を受けようとする年度の前年の所得が、約128万円以下の学生が対象です(扶養親族や社会保険料控除がない場合)。
なお、家族の方の所得の多寡は問いません。
20歳を超えて学生納付特例制度を活用している場合は、アルバイトでの収入金額に注意しましょう。
次は、子どものアルバイトに確定申告が必要かどうかについて解説していきます。
4. 子どものアルバイト、確定申告は必要?
子どものアルバイトと言っても、大人と同様に、要件を満たした場合には確定申告をしなければなりません。
4.1 アルバイトで、確定申告が必要となるケース
- 年末調整が提出期限に間に合わなかった方で、年収が103万円を超える
- 12月31日(年末調整)前にアルバイトを辞めたが、年収が103万円を超える
- 複数のアルバイトを掛け持ちしており、年収が103万円を超える
- アルバイトの以外に、20万円以上の収入がある
アルバイトをしている人が覚えておきたいのは、年収103万円という数字です。
基本的に、103万円以下の場合は、確定申告が不要となります。
しかし、103万円を超えてしまい、年末調整を受けられなかった場合は、確定申告をする必要があります。
ただし、例外として、以下のようなケースがあります。
全ての人に当てはまるわけではないので、参考程度に覚えておくと良いでしょう。
4.2 アルバイトでも確定申告が不要となる例外
12月31日(年末調整)前にアルバイトを辞め、その後新しいアルバイトをしている場合、新しいアルバイト先に、辞めたアルバイトの源泉徴収票を提出して年末調整を行えば、確定申告が不要となるケースがあります。
また、複数の会社でアルバイトをしている場合、年末調整を行う会社に、他のアルバイト先の源泉徴収票を提出してまとめて年末調整を行えば、確定申告が不要となるケースがあります。
5. まとめにかえて
子どもがアルバイトを始めたいと言ってきたときは、扶養控除や確定申告、年末調整など、社会の仕組みを勉強する絶好のチャンスでもあります。
一定条件を満たすと、親が受けられる控除がなくなったり、健康保険料を支払わなくてはいけなかったり、確定申告が必要になったりと、一緒に勉強すると安心です。
今回ご紹介した内容を参考にしながら、ぜひ子どもと一緒にお金の仕組みを復習しておきましょう。
参考資料
下中英恵FP事務所 下中 英恵