2. 「遺族厚生年金」とは

遺族厚生年金は、年金制度の2階部分にあたります。

以下のいずれかの要件を満たしている方が死亡したときに、遺族に遺族厚生年金が支給されます。

  • 厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき
  • 厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡したとき
  • 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けとっている方が死亡したとき
  • 老齢厚生年金の受給権者であった方が死亡したとき
  • 老齢厚生年金の受給資格を満たした方が死亡したとき

1および2の要件については、死亡日の前日において、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要です(死亡日が2026年3月末日までのときは、死亡した方が65歳未満であれば、死亡日の前日において死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと)。

4および5の要件については、保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間が25年以上ある方に限ります。

なお、遺族厚生年金の受給対象者は順位が決まっています。

死亡した方に生計を維持されていた以下の遺族の中で最も優先順位の高い方が受給します。

  • 子のある配偶者
  • 子(18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方)
  • 子のない配偶者(子のない30歳未満の妻は5年間のみ受給できる。子のない夫は55歳以上である方に限り受給でき、受給開始は60歳から)
  • 父母(55歳以上である方に限り受給でき、受給開始は60歳から)
  • 孫(18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方)
  • 祖父母(55歳以上である方に限り受給でき、受給開始は60歳から)

遺族厚生年金額は、死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額となります。

報酬比例部分とは、厚生年金保険に加入していた期間と加入期間中の収入に応じて決まる将来の年金額です。

次の章では、実際に受け取れる年金額のシミュレーション結果をみていきましょう。