2024年7月3日、公的年金の健全性を検証した「財政検証」の結果を国が公表しました。
この検証結果によると、現在50歳の女性のうち57.1%と約6割弱の方が65歳時点で受け取れる年金額が、ひと月10万円を下回る見通しとなっています。
これだけ年金額が少ないのであれば国から何かしらのサポートを受けることはできないのか?と感じた方も中にはいらっしゃるかもしれません。
確かに、公的年金やその他の所得が一定基準以下の方の生活支援を目的とした「年金生活者支援給付金」というものも存在します。
また、2024年6月21日の記者会見で、岸田総理は秋ごろを目途に追加の給付金支給を検討すると明言しました。年金受給世帯や低所得世帯に対しての支援に注目が集まります。
今回は年金生活者支援給付金について解説していきながら、老後に対する備えの必要性について考えていきたいと思います。
1. 「年金生活者支援給付金」でいくらもらえるのか
年金生活者支援給付金は、老齢年金、障害年金、遺族年金の受給者に対して支給されます。
給付額は以下のとおりです。
1.1 老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金
- 保険料納付済期間に基づく額(月額)= 5310円 × 保険料納付済期間/被保険者月数480月
- 保険料免除期間に基づく額(月額)= 1万1333円 × 保険料免除期間/被保険者月数480月
1.2 障害年金生活者支援給付金
- 障害等級2級:月額5310円
- 障害等級1級:月額6638円
1.3 遺族年金生活者支援給付金
- 月額5310円
※2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5310円を子の数で割った金額をそれぞれに支給
老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金は、保険料納付済期間と免除期間に基づいて金額を算出し、合計額を支給します。
たとえば、昭和31年4月2日以後生まれの方で被保険者月数480月のうち納付済月数が480カ月、全額免除月数が0カ月の場合は月額5310円が支給されます。年間になおすと6万3720円です。
次章では、年金生活者支援給付金の対象者を見ていきます。