2024年1月から始動した新NISAにより、一般投資家の投資に対する興味関心が高まりを見せています。ただ、同時にSNSを通じた投資詐欺などの金融トラブル件数も増加している現状もあります。

こうした状況を打開するべく、金融経済教育を官民一体で届ける存在として、2024年4月5日に設立されたのが金融経済教育推進機構(以下、J-FLEC)です。8月26日にはJ-FLECキックオフ記者発表会が開催され、同機構が担うミッションなどが語られました。

1. 金融経済教育推進機構(J-FLEC)とは

金融経済教育推進機構(J-FLEC)とは、「金融サービスの提供および利用環境の整備等に関する法律」に基づき、2024年4月に設立された認可法人です。

設立にあたっては、金融広報中央委員会、全国銀行協会、日本証券業協会が発起人となり、幅広い年齢層に向けて国民各々のニーズに応えた金融経済教育の機会を届けることを目的としています。

主な事業内容は以下の6点です。

  1. 講師派遣(出張授業)
  2. イベントセミナー
  3. 個別相談「J-FLECはじめてのマネープラン」
  4. 学習教材の無料提供
  5. 金融経済教育研究校の指定・支援
  6. J-FLEC認定アドバイザーの認定・公表

2. お金に関する知識が不十分と認識している人は多い

金融教育が必要という認識は多くの人が持っているようで、J-FLECが実施した「お金に関する意識調査」によると、「自分がより良い人生を送るために必要なお金に関する知識や判断力を十分に習得できていると思いますか?」との質問に対し、十分できている8.3%、まあまあできている26.8%、あまりできていない41.8%、全くできてない23.0%と、64.8%もの人が金融リテラシーの習得ができていない、と実感していることがわかりました。

金融リテラシーの習得ができていない人が半数を超える

グラフの画像

出所:金融経済教育推進機構「お金に関する意識調査」

こうした背景もあり、日本においてさらなる金融経済教育の必要性が高まり、中立的な立場から金融経済教育を官民一体で届ける存在として、J-FLECが設立されました。

8月26日のJ-FLECキックオフ記者発表会で、安藤聡理事長は「国民ひとりひとりのファイナンシャル・ウェルビーイングの実現に寄与していきたい」と語っています。今後の日本における金融経済教育がJ-FLECを起点として本格的に動き出した印象を受けます。

 

J-FLEC 安藤聡理事長

登壇して話をしている男性の写真

出所:J-FLEC